江戸川乱歩『指環』を収録しました!

 

本日は、江戸川乱歩『指環』の収録でした!

 

音楽用のスタジオにて。

ギター背負ったバンドマンたちに囲まれ、朗読。

電話予約の際、「では、アンプ等の機材無し、ボーカルのみの収録ということでよろしいですか?」と尋ねられ「ボーカル? ボーカル、あ、はい、声ですねぇ……」と答えましたが、そういうことだったのですね……!

他に、朗読をしていそうな人は見当たりませんでした。とりあえずお客は全員、黒服で、マッシュルームカットでした。カリスマボーカルっぽい人もいました。憧れますね。

 

 

我々は、こちらのドラム、無視させていただきます。ドラムも3時間、暇そうでした。かわいそうに。

 

しかし、ドラム越しに見るみんなは、かっこいいですね。

 

 

鏡があるので、人が2倍に見えて、すごくたくさんいるように見えます。

スズキさんについては、完全に2人いるように思えました。本当に2人いたら、めっちゃ便利ですね。

 

 

ちなみに、今回の収録では、新しい機材を投入しております。

 

 

音響をやっている友人がご好意で貸してくださったマイクと、新しく購入したオーディオインターフェイス。

 

 

マイクごとに音量を調節できるようになったのと、パソコンで、すぐ音声を確認できるようになって、ありがたいです。

 

 

さて、音量を調節して、『指環』の本番を収録しました。

 

 

今回は、江戸川乱歩の原文を、登場人物AとBのキャストを入れ替えて、2パターン収録。

さらに、栗田ばねさんが改編を加えたバージョンで、AとBを入れ替えて、2パターン。

合計、4本撮りです!

ぜひ、聴き比べてくださいね。

 

 

これは、改編バージョン。当日、直前の練習まで、書き換えを加え続けました。

 

 

しかし、ここで罠が。

 

 

「ハッハッハ!」とか「なぁおい!」とか大きな声出すと、ドラムが微妙に、シャリーン、と響く……。

シンバルが振動するのです。

邪魔だなぁおい!

仕方ない。バンドマンのテリトリーで朗読をする、もぐりへの洗礼です。受けて立つ。

 

 

さて、次は、フリートークです。

 

まずは、裕人×よっこ。

 

 

劇団ののラジオに初参加の、感想、自己紹介、江戸川乱歩について仕入れた知識など、いろんな話をしてくれています。

 

 

初出演だから緊張するのかな、って思ったら、スラスラスラスラ、川の流れのように、それはもう流しソーメンのように、スムーズに喋る。今までフリートークに出た人の中で、1番達者に喋っている気がする。

 

 

そういえば、戸塚駿介くんも達者だったので、若い子の方が、こういうのに慣れているのかな? と思ったのですが。

もしかしたら、大人たちの方が、脳内とっちらかった人ばかりなのかもしれない、と、気付いた。気付かない方がよかった。

 

 

よく、家事をしながら、電車に乗りながら、ラジオ番組を聞くから、勘が働くのだそうです。

 

 

それにしても。落ち着きないなぁ、栗田ばね。

 

 

全部の写真に写りこんでいるじゃないか。

しかも、田島がくんが喋ってる間、移動し続けているじゃないか。

 

 

なんだその顔は。

 

 

最後は、演じたキャスト2人による、トークです。

 

 

息もピッタリ。ファッションもおそろい(偶然)

なかなか、良い作品に仕上がったと思います!

 

 

帰りは、せっかく珍しく都会に出たので、どこにでもあるチェーン店でパスタランチをいただきました。やっぱりチェーン店は、安心、安価、安定のおいしさだ。

 

とても充実した1日でした。

 

極めろミステリー!

本日は、加賀美もちこさんが、脚本にファミチキの油を垂らしたところから始めたいと思います。

『竹の木戸』からお馴染みのスズキヨシコ邸でしたが、今日は、お引越しした新居にて、稽古です。

新スズキ邸の最寄りのファミマで、お気に入りのファミチキを食し、そして台本に油をこぼした、もちこさんです。

笑うしかない、田島裕人くんです。

今日は、相方の栗田ばねさんがいませんが、江戸川乱歩の『指環』を気合いを入れて練習します!

今日のメンバーは、ひどいです。稽古の内容を思い出すために、録音した音声を聞いたら、冒頭から

スズキ「はい、お茶だよ」

もちこ「あ、ありがとう。Teaだね」

スズキ「茶だよ」

もちこ「ティー」

スズキ「ちゃ」

もちこ「ティー」

スズキ「チャー」

裕人「ティーチャー! あははははは」

ノア「今日のメンバーはダメだ……」

スズキ「誰か、止めてくれないと……」

もちこ「戸塚くんが必要だよね。(茶碗を転がす音)あぁっ!」

裕人「なははははははっ」

という会話が入っていて、とりあえず、聞くのをやめました。

さて、気を取り直して、暇な時に、もう一度聞き直しました。

壁際に椅子を2つ並べて、電車の座席に見立て、2人で並んで演技します。

ちょっと気になるのが、この、背景において主張の強い、黄色い鳥のカレンダー。

AとBが緊迫してやり合ってても、なんかちょっと、和んじゃうなぁ。

まずは、AとBが、お互いに泥棒であることを隠して、上品ぶって敬語で話す前半の練習です。

座っているBの元に、隣の車両からやって来て話しかけるA。そして、幾つも遠回りな質問をして、Bにカマを掛けようとします。

AとBは、よっこ×もちこ、もちこ×裕人、裕人×よっこ、と、ローテーションして、役も組み合わせも入れ替えました。

動画を撮りながら、立ったり座ったりして、演技しています。

Aは、しっかり間を取って、あの手この手で畳み掛けた方が、Bが怪しく感じて来るようです。

気付いたのは、このお話の1番重要である「心理戦」「駆け引き」を上手にやろうとすると、みんな『相棒』の水谷豊さん風になっていく、ということです。

「あなた、こないだの方ですよねー?」「これはこれは、おやぁ? おかしいですねぇ?」「と、いうことは……、はてー?」

さて、全員水谷化したところで、休憩。お昼ご飯とおやつで一服です。

のりまきをいただきました。いつもおいしいごはんをありがとうございます……!

そしてこちらは、甘いお菓子と塩味のお菓子を、混ぜて入れた、カオスの図。無頓着の極みです。

ぜひ、水谷さんの紅茶と一緒にいただきたい。

ここで、劇団ののがYouTubeで音声配信を行う新企画、NonoTubeの試験録音を視聴しました。

これは、もちこさんが読んだ、おしるこのレシピを聞いているところです。本当にただ、レシピを読んだだけなのですが、これがなかなか面白いです。

次は、栗田ばねさんが読んだヒカキンさんのYouTube番組を、ひたすら文字起こしして静かに読んだだけの音声を視聴。

静かに淡々と読み聞かされる「ぶんぶん、ハローユーチューブ」は、ひどいです。

さて、一服した後は、お互いに正体を明かし、急に江戸っ子風になる、後半を練習。

まずは、1人1セリフずつ、順番に、何も考えずに、べらんめえ調でセリフを読みました。

落語、泉谷しげるさん、石倉三郎さんなどを意識して。

全員で早口で読んでいると、だんだん江戸っ子リズムに慣れてくるものです。スラスラ読めるようになって来ました。

そして、次に肝心なのが、前半の上品ぶっているところから、後半に突入する、境目のところ。

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A 併し、不思議ですね。とうとうあの指環は出て来なかったというじゃありませんか。どうも、不思議ですね。
B …………
A …………
B ハハハハハハ。オイ、いい加減にしらばくれっこは止そうじゃねえか。

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この、水谷の「ど〜うも、不思議ですね〜?」の、わざとらしさ。

訪れる、2人の沈黙。沈黙の中でAがBを盗み見るのか、じっと睨みつけるのか、すまして遠くを見つめるのか。Bが口火を切るのを今か今かと待つその心は!? そしてBは何を考えているんだ!?

そして、遂に、この猿芝居の滑稽さにこらえきれなくなり、沈黙を破るように笑い出してしまうBの、フフ……フフフ……ハーッハッハッハッハッハッ!!!!! という、絵に描いたようなワルモノ笑い。

を、練習してみました。

この切り替え、結構、大事です。沈黙を破るのを急ぎすぎると雰囲気が出ないし、笑い声の後のセリフがゆっくりすぎるとタンターンという江戸っ子っぽいリズムが出ないのです。

ここで、もちこさんのワンポイントアドバイスが出ました。

「セリフをかまないようにするには、もったいぶるといいよ」

あえて演技でもったいぶるように見せつつ、次のセリフをかまないようにしているのだそうです。その手があったか。

と、ここでもう一度、電車の並びで演技をしました。動画を撮りながら。

ところで、後で見返してみると、これ、江戸川乱歩のミステリーじゃなくて、すごく、ベタな月9のひと場面に見えますね。

この日は、横光利一『春は馬車に乗って』の、お医者さんのセリフも、練習しました。

主人公の夫に、妻の病状「もう助からない」ということを伝える、大事な役目。作品に出て来る、唯一の第三者の役です。

お医者さんのイメージについては、最後までもめました。メンバーの中で、イメージが統一されませんでした。

ひどいことを言っていると気付かずに、あっさりと言ってくる人、悲痛な感じで伝える人、事務的に義務感を持って淡々と伝える人。

これは、横光が、あえて医者の情報を削ぎ落としているからです。

この物語に出て来る他人、つまり夫と妻以外の人物は、大変上手に制限されています。夫が遠目に見る海辺の子どもたちは風景と一体化していますし、スイートピーをくれたらしい知人というのは、登場はしません。

医者は、夫と会話を交わす、唯一の他人です。しかし、これは生身の人間としてではなく、夫が妻の死を実感する装置として登場させられた人物です。なので、医者を描写する余計な情報が、全て排除されているのです。

これをどう演じるかで、夫の演技、場面の雰囲気、後半に対する感情移入の仕方が、変わって来ます。こういうところが、“文学に演出を付ける” 醍醐味と言えるでしょう。

「この医者が、どこを見て言っているのかって、大事な気がする。主人公の目を見て言っているのか、それとも目を合わせられなくて、キョロキョロそらして話しているのか。なんか背中に腕を組んだりして、窓の外眺めながら言ってるのか。随分、言い方は変わると思う」と、考え込む田島くん。

結局、「目はしっかり合わせて言っている。残念には思っている。決して平気で言っているのではないだろう。しかし、という方向性になりました。

では、そんなわけで、今日は和やかなメンバーによるキレのない稽古でしたが、ミステリーの稽古だったので、もちこさんがテーブルの角で後頭部を強打する不穏なシーンで、終わりたいと思います。

一度ぶつけ、もう二度とぶつからないよう、何度も振り向き、座り位置を確認し、やっぱりもう一度強打した瞬間。そんな画像で、締めくくりたいと思います。

おのれの敵は、おのれ。

みなさん、ごきげんよう。

書き換えてもいいですか?

本日前半の稽古は、江戸川乱歩の『指環』です。乱歩の書いた文章が、ひどい、という点についての、議論です。

 

 

栗田「この文章はひどいんだよなぁ。本当にひどい。結局ね、これをうまく読もうとしても、そもそも文章が下手すぎるから、どう読んだって、理解しづらい内容になるんですよ。前振りと落ちの関係がねぇ……。だから、なんとか、良くしたい」

ノア「でも、これって、内容をわかりやすくしようとすると、例えば、漫画とかドラマだとしたら、回想の部分を、説明ゼリフは良くないから、ってちゃんと回想シーンにするわけじゃん」

栗田「それは、ダメだ。それじゃあ、『指環』じゃなくなっちゃう。『指環』の枠組みっていうのは、会話だけっていうのが作品のポイントだから」

田島「会話を直していくの?」

栗田「そう。それと、なんで急にとってつけたような、べらんめえ調なんだよ! って思うけど、そこはかろうじて守って行くよ(笑)」

田島「それが『指環』の唯一のアイデンティティーだからなぁ」

栗田「そうなんだよなぁ」

 

 

ノア「1人が長く喋りすぎてるところを、ちょっと分割していくとかね」

栗田「そうだね。例えばね、ここだけど」

 

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A オヤ、これはおかしい。じゃ、何の為にあの蜜柑を窓から放り出したんだね。
B まあ考えても見ねえ。折角命懸けで頂戴した品物をよ。たとえ蜜柑の中へ押込んだとしてもよ。誰に拾われるか分りもしねえ線路のわきぞへ放られるものかね。おめえがノコノコ拾いに行くまで元の所に落ちていたなぞは、飛んだ不思議と云うもんだ。
A それじゃやっぱり蜜柑を抛った訳が分らないじゃないか。
B まあ聞きねえ、こういう訳だ。
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栗田「これね、耳で聞いてると、すごいむかつくんですよ。この部分で、いっこうに話が進んでないからなんだけど。なんで蜜柑を窓から投げたんだ? って問うてるんですよ、Aは。なのに、それに対してね、盗んだ品物を蜜柑に隠して投げるわけないだろ? って違うこと答えちゃってるんですよ。訊かれたことには、答えてないんだよ」

田島「だから、もう1回、Aが聞き直しちゃってるもんね」

栗田「そうそう。流れが汚いよね」

ノア「まぁ、Bが、話をはぐらかしはぐらかしして、答えようとしないっていう演出はあるかもしれない」

栗田「それがあるにしても、耳だけで聞いてると、わかりづらすぎるんですよね。例えばね、お笑いのライブのカーテンコールに出るじゃないですか。若手がみんなでワチャワチャ喋るんですけど。『今日の、○○のところ、最高に面白かったですよね!』って誰かが言う。その○○について話広げればいいのに、別の誰かが『そういえば、△△も面白かったですね!』って言い出しちゃって、これって実は、聞いてる方からしたら、全く話が進んでないんですよ」

田島「話が飛んでるだけですもんね」

栗田「そう。ちょっとセオリー守れば、整理できることだと思う」

田島「セオリーが無い時代だったのかな。と、思ったけど、乱歩が文章が下手だったっていうのは有名みたいで。評価としては、みんな下手って言ってるんですよ、当時から」

栗田「だって、時代って言ったって、漱石は文章読みやすいもんね。乱歩は谷崎潤一郎に憧れて真似をしたけども、あれは谷崎だけの個性だから、真似しちゃダメなんだ! って高橋源一郎が言ってるし」

田島「さんざんな言われようだなぁ(笑)」

ノア「芥川とかねぇ、上手だもんねぇ」

栗田「これも高橋源一郎が言ってるんですけど、芥川っていうのは、自分の個性とか思想と切り離して、言葉を使える人だったと。だから誰でも読み解けるんですよ」

田島「乱歩の文は個性の塊だもんなぁ」

 

 

ノア「じゃあ、もう本当に手を入れるっていうか、書き直すってことかな?」

栗田「そうなるかな。多分、出て来る話の順番をちょっと入れ替えたり、分けたり、統合したり。整理すればいいだけのような気がする」

田島「後半の流れ、整理したいな」

 

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Aが、いいかげん、しらじらしい芝居はやめようぜ、と言う。
Bが、「おまえこそ。俺はあの時、窓から蜜柑を投げたが、それを後から取りに行くなんて、なかなかやるじゃん」と言う。
Aは、「でも蜜柑には指環は入ってなかった。おまえが先回りして拾うなんて、さすがだ」と言う。
Bは、「投げた蜜柑は取りに行ってない」と言う。
Aは、「じゃあなぜ蜜柑を投げたのか?」と訊く。
Bは、「指環を蜜柑に隠して投げて、あとで取りに行くのは常套手段だが、その間、誰に盗まれるかもわからないのに、そんなことするわけないだろう」と返す。
Aが、「それじゃあ蜜柑を投げた意味がわからないじゃないか」と、もう一度、訊く。
Bは、「蜜柑を窓から放ってそれをAに目撃させておけば、Aはそのことを言いふらす。皆に、指環はもうここにはないと思い込ませることができるはず。しかし、Aは黙っている。ここで、Aがあとで蜜柑を取りに行くつもりなんだな、同業者か! ということに気付いた」と説明。
Aが、「でも、Bがまだ持っていたんだとしたら、なんで身体検査で見つからなかったんだ?」と不思議がる。
Bは、「Aの腰に下げたタバコ入れに隠させてもらった。そして、Aが改札口を出る前に抜き取った。蜜柑を取りに行こうと頭いっぱいのAは隙だらけで利用しやすかった」と種明かしする。
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田島「なんかこの、情報を小出しにしてる感が、ミスリードのつもりっていうか。大オチの部分を引き伸ばしてはいるんだけど……」

ノア「それがかえって、同じこと何度も言ったりしてて、時系列も行きつ戻りつしてるから、聞いてる方が迷子になるんじゃないかな」

田島「順番が前後するのは、まぁ、1つのことを別角度からなぞり直してるっていうのはあるかもしれないけど」

ノア「『こういうことだった』『いや、実はこういうことだったんだ』みたいな?」

田島「でもその戻り位置が不規則なんだよね。あとね、時系列で言うと、たまに話それるじゃん? この人たち。話がそれる時は、『ちょっと話がそれるのですが』っていうおことわりが最初にあると、いいのにね」

栗田「そもそもね、こんな短い短編の中で前後してるんじゃないよ! って言いたい。ミスリードっていうのはね、読む側が『あ、きっとこうに違いない』って思ったら違った、っていうのをやっていかなきゃいけないんだから。ミスリードもされてないもんね」

 

 

栗田「ここもひどいな」

 

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B おめえも中々隅へは置けないよ。あの時、俺がソッと窓から投げ出した蜜柑のことを一言も云わないで、見当をつけて置いて、後から拾いに出掛けるなんざあ、どうして、玄人だよ。
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栗田「これはさ、Aのことを褒めている体をなした、説明ゼリフだからね」

ノア「ドラマで多いよね。『3年前、おまえからの電話で、△△ちゃんが入院したけど、○○先生の手術で助かったって聞いた時は、嬉しくて泣いたんだぜ』みたいな」

田島「それそれ(笑) 日常会話って、お互い知ってる内容については、絶対言わないもんね」

栗田「しかも、大事なキーワードなのに蜜柑を投げたっていうエピソードが、ここで、この形で初出なのもむかつくよね。これ、後半の頭だよ」

田島「いきなりなんの話? って、頭が追いつかない」

ノア「前半で自分が聞き逃したのかな、って思っちゃうね(笑)」

栗田「いや、この出し方はないわ。前半でAが『あの時、蜜柑を勧めてくださいましたよね』って言った時、Bはそれをわりとスルーするんですけど、この時点でもうちょっと何か、トリックのキーワードとして、印象を残しておけばよかったのかもね。基本、ミステリーって、謎出し→謎バラし、の繰り返しじゃないですか。そこの構成はしっかりさせたいなぁ」

ノア「それで言うと、読む側/聞く側って、Aに感情移入したいじゃない?」

栗田「なんで?」

田島「Aに感情移入して、ミスリードされて、Bに種明かしされて、びっくりするっていうのが王道かな」

ノア「今は、まずAの目線に立つのが難しいからなぁ」

栗田「嗚呼もう。乱歩にもうちょっと理系の脳みそがあれば……!」

田島「それに関して、こんなエピソードがあって。乱歩がトリック全集を作ろうとしたんだけど、分類が下手で。1ジャンルの中にリストできるトリックが少ないから、結局ジャンルがどんどん増えてっちゃって、全然分類になってないじゃんって批判されてて。しかも、完成してないんですよ。乱歩の全てを表してる感じ」

栗田「乱歩は無駄が多いよね。乱歩全集っていっぱいあるんだけど、あんなに長いのは、無駄な文章が多すぎるからだと思うよ」

田島「連載するためっていうのもあるんだろうけど」

ノア「少年ジャンプみたいな」

栗田「そう、だから乱歩はもうジャンプ作家だと思えばいいんだよ、それしかない」

ノア「そう考えると、藤子・F・不二雄ってすごいね。あれだけ連載しながら、1年に1回長編を書いているんだからね」

栗田「あれは素晴らしい理系の頭なんですよ、だから。ドラえもんの第1話なんて、無駄が無くて美しすぎるじゃないですか」

 

と、ここで、梅田くんが乱入。

 

梅田「ところで、君たちは、なんの話をしてるの?」

田島「え? そっちはなんのテーマですか?」

 

 

梅田「僕らはね、さっきから、もちこが携帯電話の機種を換えたけど、また戻すことについて話してたよ。『やっぱりあの男は違った。いっときの魅力で目移りしたけど、血迷ってた。結局、元の男のところに戻るんだよ』っていう話だよ」

加賀美「そうそう、『ごめん、やっぱりあなただった、って謝って戻るしかない』っていう話だよ」

田島「……」

 

 

梅田「あ、それだけじゃないよ? ちゃんとした話もしてたよ。朗読で読む題材として、「おーい、お茶」の俳句はどうか、っていう話してたの」

 

 

ノア「え、著作権どうなの?」

加賀美「あ〜、その話ももうとっくに出たわ〜」

 

 

梅田「これはぜひとも言い訳したいんだけどね、この件について、伊藤園は特に著作権は主張してないんだよ。ホームページ見たんだから、僕ら。ね」

スズキ「いや誰も朗読するやつがいるなんて思ってないからねぇ」

栗田「じゃあ、春の歌詠み会みたいな感じで行きますか? すみ〜〜〜れ〜〜〜」

 

梅田「ほら見て。千葉県の竹内くん、埼玉県の中村ちゃん……」

ノア「……まぁ中村ちゃんは投稿した時点で諦めなきゃいけないと思うよ。自販機で200円せずに買える媒体に、句をリリースしちゃったんだから」

 

 

栗田「これなんか、見てくださいよ。こいつ、サラリーマン川柳に出して落選したやつをこっちに送ったら選ばれた句なんじゃないの? 絶対そうです」

加賀美「ひどい(笑) なんで一句も詠んでないやつにそこまで言われなきゃいけないんだ」

梅田「ハイ、じゃあ、劇団のので読んでいいの?」

スズキ「ダメって言ってんだろ!?(怒)」

梅田「あははは!」

 
 
 

スズキ「はい、話戻すと、つまり、この乱歩の書いた元のバージョンと、改編して良くなったバージョンを、両方やるということかな?」

栗田「良くはなりません、元が悪すぎるから。“最悪なもの” が、“やや悪いもの” になります」

加賀美「ひどい言われようだ(笑)」

 

 

スズキ「書き直しって、誰かが執筆やってくれるんですか?」

栗田「もう、しました」

加賀美・梅田・スズキ・ノア「えっ?」

 

 

栗田「本当にひどい人たちだ! 書き直しました、って全体のラインに流したでしょ!?」

スズキ「ごめん、気付かなかった」

加賀美「わたしも、気付かなかった」

田島「僕は、気付きましたよ」

加賀美「お!」

田島「1度開いて読まずに閉じたので、多分この中で1番悪質な人間ですね」

加賀美「なんで!?(笑)」

 

 

栗田「もうやめだやめだ!(怒)」

田島「ははははは」

 

 

加賀美「まぁ、つまりね、乱歩っていうのは、後世にこれだけ議論を巻き起こす作品を遺した、そういうことだよ」

ノア「君がまとめるなよ」

 

 

ということで、最後に録音をして、稽古が終わりました。

 

 

劇団のの初、原文のアレンジに挑戦です!

波乱の予感!