浮かれすぎクリスマス

 

大勢での収録を、クリスマス直前に行いました!

 

どうです、この大庭家の浮かれっぷり。

もしこの時代にクリスマスを祝っていたら、
お徳の仕切りは凄かったでしょうね。
新橋に買い出し、礼ちゃんのプレゼントの調達。
クリスマスツリーの選出、飾り付け、設置場所。
七面鳥の焼き具合、靴下作り。

そして、磯吉は、
どっかの庭からモミの木を切り倒してきて、七面鳥を誘拐して、
金次の家でクリスマスケーキを貰ってくることでしょう。

 

お菓子も豪華。

スズキ家の手作りクッキー。

Caoriちゃんが買って来たクリスマスケーキ。

中馬くんが里帰りの折に買って来てくれた、
肥後、五十四万石饅頭。

あれ?
「風が語りかけます」のCMで有名な埼玉の十万石饅頭じゃないの?
加賀百万石は大河ドラマの「利家と松」?

などと言っておりましたが、五十四万です。
十万より多い、百万より少ない。
五十四万石饅頭は、大変おいしい、
おいしすぎて五十四万個食べられるおいしさでした。

https://www.kobai.jp/goju/

 

お徳とお源の井戸端でのシーンを録っているところです。

2人、本当は仲良しです。

お源、お徳、マイクチェックです。
交互に「あ」と言って音を入れています。

お清、録音を確認。
職人と化しています。

お源は貧乏なはずなのですが。
なんでしょう、この金持ちそうな顔は。

この帽子がここまで似合う人はあまりいませんね。
本当は磯吉じゃなくてサンタクロースの妻なんだと思います。

紅茶を片手にご機嫌で収録。

この後、彼女は、浮かれすぎて、盛大に紅茶をこぼしました。
機材は無事でした。

 

お源とお徳が、演技に納得が行かず、
物凄く、長い収録となりました。
この男が暇になりました。

そして、この男も。
田舎の駅の待合室か、山小屋のようですね。

そして相変わらず、部屋全体を温めてくれない、アラジンランプ。

おもむろに昼食を食べる中馬くん。
何故か、かっこつけて来ました。

 

と、ここで、暇そうだったので、
中馬くんに、お昼ごはんのピザを買いに行ってもらいました。

 

1度、録音真っ最中に、ガラッと開けて、中馬くんが戻って来ました。
みんなで「おい!」となりました。
まるで演劇のワンシーンのようでした。

 

そして、また、録音真っ最中に、ガラッと開けて、中馬くんが戻って来ました。
また、みんなで「おい!」となりました。
まるで演劇のオチのシーンのようでした。

 

増屋の御用聞きは、ピザの配達人になりました。

ちなみに、彼、この帽子を被って自転車に乗って店まで行ったこと、
帰って来てから気付いたようです。
お店の人も、物凄い浮かれたクリスマスパーティーが開催されていると思ったことでしょう。

大変おいしくいただきました!

 

お昼を過ぎても、まだお源とお徳のシーンが続いております!
待機中のベンチは、寒い。
防寒必須です。

 

ミッションをコンプリートし、
またもや暇になってしまった中馬くん。
おもむろにチキンを食べております。

骨しかないのに、何故か、かっこつけて来ました。

 

さて、お源とお徳がようやっと納得し、他のシーンをいっきに録りました。

時間が無くなってしまったので、
家族会議や、朝の井戸端のシーン、
実は全部別録りして、編集で繋いでいます。

 

さて、最後に、効果音を録りました。
磯吉が煙管をふかすシーンと、ごはんを食べるところです。
煙草は梅田くん、ごはんは中馬くんがやっています。
実は本人じゃないんですね。

 

中馬くん、空のお茶碗で、必死に、
ドラえもんが歩く時の音みたいなのを出してくれました。
何か違う。

そこで、本当に何か食べた方がいい、ということになり、
ここで登場するのが、あの、肥後の五十四万石饅頭です。

だがしかし、中馬くん、
またドラえもんみたいな音を出し、
ディズニーに出てくるハイエナの舌なめずりみたいなヨダレの音を出し、
最後に急にお饅頭を取り出して、
カサカサ言わせて紙を剥いて、
マイクに向かって顔を突き出して、凄いスピードでもぐもぐもぐもぐっと噛み、
わざとらしく、「あ〜っ」と息を漏らしていました。

みんな、声が入ってはいけないので、必死に笑いを堪えています。

音を確認する真蔵。
1人で聞いて、笑いすぎて、撃沈していました。
小さなカサカサ言う紙の音と、無音が入っていたようです。

 

自分でも確認。

そんなに真剣に聞く音ではない。

 

結局、茶碗にお饅頭を入れ、お茶を掛け、
お茶漬けのように掻き込んでみました。
そちらの音が、本編では使われております。

 

ちなみに、この後、後片付けをしていたら、
サンタの帽子が1つ足りず……
中馬くんは、よほど寒かったのか、被ったまま家に帰ってしまったようです。

 

お菓子も炭も値段に比べて小さいぞ

 

引き続き、暖房が効かない寒い部屋での稽古です。
Caoriさんが途中で抜けました。

 

☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆

 

ここからは、稽古でやった場面と、それについてキャストが話した内容をお届けします。
作品本文は、青空文庫からコピーしたものに、読み易いよう改行を加えています。
キャストが話した内容は、録音した物を文字に起こし更に編集しています。
なお、議論は明確な答えを出すものではなく、情報は必ずしも正確ではありません。
演出を付けるために自由な発想に基づいて発言しております。

 

☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆

 

—共演者の心は、みんなバラバラです。

◆栗田:さ〜くら〜。さ〜くら〜。あ〜。あ〜。わたしくしは、とらさん。あ〜。
◆のあ:次は、シーン3かな。井戸端会議のシーンだね。
◆栗田:い〜どばたかいぎ〜。い〜どばたかいぎ〜。わたくしは、とらさん。
◆吉田:あれ? 3やらなかったっけ?
◆のあ:今までの稽古でやった記憶が無いな。
◆吉田:でも、見て。わたしの台本、お徳のセリフのところに丸付けてってるよ。
◆スズキ:あ、ホントだ……あれ、途中から丸消えてるよ。
◆のあ:多分、ここは1回も読んでないなぁ。
◆吉田:あ、そうだ思い出した。「自分の役」って思って台本に丸付けて、途中で飽きたんだ。
◆スズキ:何だよ!(笑)
◆栗田:あー解るっ。古本屋で、難しい本買って来たら、めっちゃ線が引いてあるんだけど、10ページ過ぎた辺りでもう線が無くなって、この人ここで断念したんだな、っていう。
◆吉田:それだよ。あとね、初回の稽古で、あ、わたしもしかしたらお徳じゃなくなるかもしれないし、って思って。
◆のあ:梅ちゃんがあの場で直感に従って適当に決めた配役だからね。もう定着してるけど。
◆スズキ:あのさぁ、みんなそろそろ、録ってる時に静かにする練習しない?
◆中馬:途中で面白くなって吹き出しちゃったりしてますからね。
◆スズキ:ガサガサするしさぁ。
◆のあ:じゃあ、静かに。3を読みます。ハイどうぞ!
◆皆:……。
◆のあ:あれ? お源、誰?(笑)
◆栗田:ホラ、言った先からもうダメなんだよ。
◆中馬:じゃあ俺やりたいです。
◆のあ:じゃあナレーションはばねさんで。橋爪功さんのように読んで下さい。
◆栗田:は〜しづめ〜。は〜しづめ〜。あ〜。あ〜。
◆のあ:絶対勘違いしてる。
◆吉田:じゃあ、橋爪と、お源と、わたしで。
◆中馬:ダメだ、みんなバラバラだ!

 

☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆

 

国木田独歩より 竹の木戸

 

植木屋は其処らの籔から青竹を切って来て、これに杉の葉など交ぜ加えて無細工の木戸を造くって了った。出来上ったのを見てお徳は
「これが木戸だろうか、掛金は何処に在るの。こんな木戸なんか有るも無いも同じことだ」
と大声で言った。植木屋の女房のお源は、これを聞きつけ
「それで沢山だ、どうせ私共の力で大工さんの作るような立派な木戸が出来るものか」
と井戸辺で釜の底を洗いながら言った。

「それじゃア大工さんを頼めば可い」
とお徳はお源の言葉が癪に触り、植木屋の貧乏なことを知りながら言った。
「頼まれる位なら頼むサ」
とお源は軽く言った。
「頼むと来るよ」
とお徳は猶一つ皮肉を言った。
お源は負けぬ気性だから、これにはむっとしたが、大庭家に於けるお徳の勢力を知っているから、逆らっては損と虫を圧えて
「まアそれで勘弁しておくれよ。出入りするものは重に私ばかりだから私さえ開閉に気を附けりゃア大丈夫だよ。どうせ本式の盗棒なら垣根だって御門だって越すから木戸なんか何にもなりゃア仕ないからね」
と半分折れて出たのでお徳
「そう言えばそうさ。だからお前さんさえ開閉を厳重に仕ておくれなら先ア安心だが、お前さんも知ってるだろう此里はコソコソ泥棒や屑屋の悪い奴が漂行するから油断も間際もなりや仕ない。そら近頃出来たパン屋の隣に河井様て軍人さんがあるだろう。彼家じゃア二三日前に買立の銅の大きな金盥をちょろりと盗られたそうだからねえ」
「まアどうして」
とお源は水を汲む手を一寸と休めて振り向いた。
「井戸辺に出ていたのを、女中が屋後に干物に往ったぽっちりの間に盗られたのだとサ。矢張木戸が少しばかし開いていたのだとサ」
「まア、真実に油断がならないね。大丈夫私は気を附けるが、お徳さんも盗られそうなものは少時でも戸外に放棄って置かんようになさいよ」
「私はまアそんなことは仕ない積りだが、それでも、ツイ忘れることが有るからね、お前さんも屑屋なんかに気を附けておくれよ。木戸から入るにゃ是非お前さん宅の前を通るのだからね」
「ええ気を附けるともね。盗られる日にゃ薪一本だって炭一片だって馬鹿々々しいからね」

「そうだとも。炭一片とお言いだけれど、どうだろうこの頃の炭の高価いことは。一俵八十五銭の佐倉があれだよ」
とお徳は井戸から台所口へ続く軒下に並べてある炭俵の一を指して、
「幾干入てるものかね。ほんとに一片何銭に当くだろう。まるでお銭を涼炉で燃しているようなものサ。土竈だって堅炭だって悉な去年の倍と言っても可い位だからね」
とお徳は嘆息まじりに「真実にやりきれや仕ない」
「それに御宅は御人数も多いんだから入用ことも入用サね。私のとこなんか二人きりだから幾干も入用ア仕ない。それでも三銭五銭と計量炭を毎日のように買うんだからね、全くやりきれや仕ない」
「全く骨だね」
とお徳は優しく言った。
以上炭の噂まで来ると二人は最初の木戸の事は最早口に出さないで何時しか元のお徳お源に立還りぺちゃくちゃと仲善く喋舌り合っていたところは埒も無い。

 

☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆

 

—「どうして」は理由ではない?

◆スズキ:お徳がたらいが盗まれた噂出した時、お源が「どうして」って訊くじゃん? お清も
増屋が炭が盗まれた話をした時に「どうして」って言ってたけど。これってさ、「どのようにして」「How」なんじゃない?
◆中馬:あぁ、「まぁ! いかようにして?」ってこと?
◆スズキ:そうそう。「Why」じゃなくて。定かではないけど。その後に来る答えが、大体理由じゃなくて経緯の説明なんだよな。
◆のあ:明治……。今、亡くなった人を1人生き返らせていいと言われたら、独歩さんだな。

 

—長い文章は分解して練習してみましょう。

◆吉田:「井戸辺に出ていたのを、女中が屋後に干物にいったぽっちりの間に盗られたのだとサ」って言い辛いんだけど。まずさ、長いし。「女中が」の後、「え、これでウラって読むの!?」って思ってる間に、引っ掛かる。
◆スズキ:確かに「屋後」で「ウラ」って凄いよね。
◆吉田:更に「ぽっちり」が出て来るから。ぽっちりって言うなっ!
◆中馬:繋げない方がいいのかな。い〜どばた〜に〜、じょ〜ちゅ〜が〜、う〜らに〜♪
◆のあ:あのさ、さっきから疑問なんだけど、それは有効な練習方法なの?
◆中馬:前に、変なニャーニャーした声で音を分解してずっと繰り返し読んでると、飽きた頃には滑舌が良くなってるって、教えてくれたじゃないですか。
◆のあ:教えたけどさ。
◆中馬:でも、飽きた頃には、周りからひんしゅくを買っているんです。
◆のあ:1人でやる練習だから。
◆中馬:でも、ひんしゅくを買うと、気持良くなっちゃうんです。
◆のあ:君は何を言ってるんだい?
◆吉田:区切って繰り返すしかないのかぁ。
◆スズキ:頑張れ〜。

 

—お徳はいじわるばあさんではありません。

◆のあ:お徳、23歳だよ(笑)
◆栗田:今、姑みたいだね。
◆吉田:やぁ、どうしても40-50歳を思い浮かべちゃうんだよな。
◆のあ:なんでさ!(笑)
◆スズキ:しかも「器量も悪くない」って書いてあるんだから。お徳、可愛いそうですよ。
◆中馬:可愛い子、いいなぁ。
◆のあ:もっと可愛いお徳でお願いします。
◆吉田:可愛くね。……ハァ〜(溜息)
◆栗田:「ハァ〜」って。
◆のあ:炭の文句言う時、今、炭屋を呪う鬼ババアみたいになってるよ。
◆中馬:もはや老母。
◆のあ:それ言ったら中馬もさ、「お源は軽く言った」「お源は折れて出た」のとこ、軽くもないし折れてもないよ。
◆中馬:反骨精神が出ますね。

 

—お徳は、明るく相手にダメージを与えることができます。

◆のあ:もっと、軽いトーンで嫌味を言うんじゃないかなぁ?
◆スズキ:もっとナチュラルなマウンティングなんじゃない?
◆吉田:あれ〜ぇっ? これが木戸だろうか〜♪ 掛け金はぁ、どこにあるのぉ?
◆中馬:ですぅ〜♪
◆のあ:あ、タラちゃん。
◆中馬:嫌味は言ってるんですけど、後半、炭の話になると、共感とかもありますしね。
◆吉田:なんか急に仲の良い女子女子してて。
◆スズキ:最後の「全く骨だね」って急に優しくなるよね。
◆のあ:最後の方は仲良く終わるからね。
◆スズキ:でもホラ、見て。「いつものお源とお徳」に立ち返るって書いてあるけどさ、いつものお源とお徳を出せるの、作品中ここしかないよ。
◆吉田:ひょえ〜。
◆スズキ:この「頼むと来るよ」はもっと親切に教えてあげたら?
◆吉田:ここ言いにくいね。親切なの言いにくいね。
◆スズキ:優しく言われた方が、ドキッとなるよね。
◆吉田:これ凄い皮肉だから、「さぁさぁ言ってやるぞぉ?」っていう気合いが入っちゃって。もっと無邪気に人を傷付ける感じだよね。
◆スズキ:教えてあげてるんだよ。頼むと来るんだよ、って。
◆吉田:頼むと、来るよっ! 頼むと来〜るよ♪ 頼むと……来るよ?
◆中馬:もはやピザのCMみたいになって来ましたね。
◆吉田:えへ♪
◆のあ:確かに(笑)
◆中馬:お源を見ないで言うぐらいでもいいのかな、って思います。軽く。
◆栗田:1番普通の言い方するといいんじゃない? 善意で言ってる風に。
◆中馬:来るよ!
◆スズキ:頼むと来るよ!
◆中馬:来るんで〜すぅ〜。
◆栗田:頼むと来るよ、と、もうひとつ、お肉を言った。
◆中馬:もう全員お徳ですね。
◆スズキ:全員。
◆栗田:善意。
◆中馬:ゼンギ?
◆栗田:ゼンギ?
◆中馬:ゼンゼンゼンギ?
◆中馬・栗田:わぁぁぁぁぁ〜っ!!!!!
◆栗田:大沢親分の……いいです。何でもないです。
◆吉田:何なんだよもうっ!

 

—お徳は、遠くから相手にダメージを与えることができます。

◆吉田:ねぇ、この「これが木戸だろうか」って、誰かそばにいるわけじゃないでしょ?
◆スズキ:いない。1人。お源は井戸にいて、お徳は木戸にいる。
◆吉田:これって、独り言がでかいのかな? それとも聴かせようとしてるのかな。
◆スズキ:勿論、聴かせようとしてるんだよ。お源に。
◆栗田:もうちょっとヤッホー感出してみて。
◆吉田:ヤッホー感。木戸から井戸ってどんぐらい距離あるのかな。
◆のあ:えっ!?
◆吉田:えっ!?
◆のあ:あ、ごめん「木戸から井戸」について行けてなくてパニクった。
◆中馬:そのぐらいついて来て下さい。
◆のあ:お源は、家を出て、木戸を開けて、女中部屋の前を裏庭を横切って、井戸まで行く。3m以上は確実にあると思うんだけど。7m、10mとか、もっとかもしれないし。
◆吉田:だいぶでかい声だね。お徳ってお源に近付いて来るのかな。歩きながらとかもありうるよね。
◆スズキ:やなやつだな。
◆吉田:やなやつなんだよお徳は。

 

—明治時代の人のテンションが掴めない。

◆吉田:なんかなぁ〜。昔の人のテンションってよく解んないね。
◆スズキ:独歩もここまで精密に読まれること想定しないで書いてから。
◆中馬:独歩は想定しています。
◆栗田:独歩は計算してるよ。精密に書いてるよ。
◆スズキ:はい。

 

—こそこそ泥棒って、なんだか可愛いです。

◆吉田:「こそこそ」って、何? 「こそこそ泥棒」で1つの単語?
◆中馬:こそこそと、泥棒が、って意味ですか?
◆吉田:その後うろうろも出て来るから、おかしいよね。何処で切るの?
◆栗田:しかも、その前に「本式の泥棒」が先に出て来てるから。本式に対する格下のこそこそじゃない?
◆スズキ:こそこそ泥棒って、ちゃんと辞書に載ってて。略して「こそ泥」だって。
◆栗田:ちょっと可愛く読んでみて。
◆吉田:みんな〜ぁ。気を付けて〜ぇ。こそこそ泥棒が、来るよぉ〜♪
◆のあ:ディズニーランドのアトラクションのお姉さんみたい。
◆吉田:次は、クズ屋だよっ♪
◆中馬:こそこそしてない泥棒って何でしょうね。
◆栗田:堂々泥棒。強盗かな。
◆中馬:強盗かぁ! 金を出せって堂々と来ますね。
◆スズキ:空き巣は?
◆のあ:空き巣は人がいない時を狙って入ってるじゃん。心根がこそこそだよ。怪盗キッドは?
◆中馬:堂々ですね。

 

—今も昔も、商品は値上がりし、サイズダウンしています。

◆スズキ:「1俵85銭の佐倉があれだよ」の「あれだよ」は「あのざまだよ」っていう意味なんじゃないかな。今だと、「あそこにあるのが、例のあれさ」って提示してるように聞こえる。
◆中馬:「あれっぽちだよ」ってことでしょ。炭が高いってことですからね。俵が小っちゃいのかな、って思うんですけど。お徳用買ってるのに損してるみたいな。
◆のあ:「いくら入っているもんかね」ってカントリーマ●ムが小っちゃくなってってるのと同じでしょ。
◆スズキ:憤慨だよね。
◆のあ:あれ? あれは小さい時にまだ自分の手が小さかったから? 今成長した自分の手には小さく感じているだけ?
◆中馬:いやいつの話してるんですか! や、確実に小さくなってますよ。
◆吉田:う●い棒が細くなってってるのは気のせい?
◆皆:えっ!
◆スズキ:一時期、ダ●スが10個になる噂もあったよね。
◆中馬:それはもはや●ースじゃない!
◆のあ:国民をバカにしてるな。
◆スズキ:そうだよ。そこまでバカじゃないよね。
◆中馬:ダースって10個のことだと思っちゃうじゃないか!

 

金田一お徳の事件簿

 

引き続き、暖房が効かない寒い部屋での稽古です。

 

☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆

 

ここからは、稽古でやった場面と、それについてキャストが話した内容をお届けします。
作品本文は、青空文庫からコピーしたものに、読み易いよう改行を加えています。
キャストが話した内容は、録音した物を文字に起こし更に編集しています。
なお、議論は明確な答えを出すものではなく、情報は必ずしも正確ではありません。
演出を付けるために自由な発想に基づいて発言しております。

 

☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆

 

国木田独歩より 竹の木戸

 

先ずこのがやがやが一頻止むとお徳は急に何か思い出したように起て勝手口を出たが暫時して返って来て、妙に真面目な顔をして眼を円くして、
「まア驚いた!」
と低い声で言って、人々の顔をきょろきょろ見廻わした。人々も何事が起ったかとお徳の顔を見る。
「まア驚いた!」
と今一度言って、
「お清様は今日屋外の炭をお出しになりや仕ませんね?」
と訊いた。
「否、私は炭籠の炭ほか使ないよ」
「そうら解った、私は去日からどうも炭の無くなりかたが変だ、如何炭屋が巧計をして底ばかし厚くするからってこうも急に無くなる筈がないと思っていたので御座いますよ。それで私は想当ってる事があるから昨日お源さんの留守に障子の破目から内をちょいと覗いて見たので御座いますよ。そうするとどうでしょう」
と、一段声を低めて
「あの破火鉢に佐倉が二片ちゃんと埋って灰が被けて有るじゃア御座いませんか。それを見て私は最早必定そうだと決定て御隠居様に先ず申上げてみようかと思いましたが、一つ係蹄をかけて此方で験めした上と考がえましたから今日行って試たので御座いますよ」
とお徳はにやり笑った。
「どんな係蹄をかけたの?」
とお清が心配そうに訊いた。
「今日出る前に上に並んだ炭に一々符号を附けて置いたので御座います。それがどうでしょう、今見ると符号を附けた佐倉が四個そっくり無くなっているので御座います。そして土竈は大きなのを二個上に出して符号を附けて置いたらそれも無いのです」

「まアどうしたと云うのだろう」
お清は呆れて了った。老母と細君は顔見合して黙っている。真蔵は偖は愈々と思ったが今日見た事を打明けるだけは矢張見合わした。つまり真蔵にはそうまでするに忍びなかったのである。
「で御座いますから炭泥棒は何人だか最早解ってます。どう致しましょう」
とお徳は人々がこの大事件を喫驚してごうごうと論評を初めてくれるだろうと予期していたのが、お清が声を出してくれた外、旦那を初め後の人は黙っているので少し張合が抜けた調子でこう問うた。暫時く誰も黙っていたが
「どうするッて、どうするの?」
とお清が問い返した、お徳は少々焦急たくなり、
「炭をですよ。炭をあのままにして置けばこれから幾干でも取られます」
「台所の縁の下はどうだ」
と真蔵は放擲って置いてもお源が今後容易に盗み得ぬことを知っているけれど、その理由を打明けないと決心てるから、仕様事なしにこう言った。
「充満で御座います」
とお徳は一言で拒絶した。
「そうか」
真蔵は黙って了う。
「それじゃこうしたらどうだろう。お徳の部屋の戸棚の下を明けて当分ともかく彼処へ炭を入れることにしたら。そしてお徳の所有品は中の部屋の戸棚を整理けて入れたら」
と細君が一案を出した。
「それじゃアそう致しましょう」
とお徳は直ぐ賛成した。
「お徳には少し気の毒だけれど」
と細君は附加した。
「否、私は『中の部屋』のお戸棚へ衣類を入れさして頂ければ尚お結構で御座ます」

「それじゃ先あそう決定るとして、全体物置を早く作れというのに真蔵がぐずぐずしているからこういうことになるのです。物置さえあれば何のこともないのに」
と老母が漸と口を利たと思ったら物置の愚痴。真蔵は頭を掻いて笑った。
「否、こういうことになったのも、竹の木戸のお蔭で御座いますよ、ですから私は彼処を開けさすのは泥棒の入口を作えるようなものだと申したので御座います。今となれゃ泥棒が泥棒の出入口を作えたようなものだ」
とお徳が思わず地声の高い調子で言ったので老母は急に
「静に、静に、そんな大きな声をして聴れたらどうします。私も彼処を開けさすのは厭じゃッたが開けて了った今急にどうもならん。今急に彼処を塞げば角が立て面白くない。植木屋さんも何時まであんな物置小屋みたような所にも居られんで移転なりどうなりするだろう。そしたら彼所を塞ぐことにして今は唯だ何にも言わんで知らん顔を仕てる、お徳も決してお源さんに炭の話など仕ちゃなりませんぞ。現に盗んだところを見たのではなし又高が少しばかしの炭を盗られたからってそれを荒立てて彼人者だちに怨恨れたら猶お損になりますぞ。真実に」
と老母は老母だけの心配を諄々と説た。
「真実にそうよ。お徳はどうかすると譏謔を言い兼ないがお源さんにそんなことでもすると大変よ、反対に物言を附けられてどんな目に遇うかも知れんよ、私はあの亭主の磯が気味が悪くって成らんのよ。変妙来な男ねえ。あんな奴に限って向う不見に人に喰ってかかるよ」
とお清も老母と同じ心配。老母も磯吉のことは口には出さなかったが心には無論それが有たのである。
「何にあの男だって唯の男サ」
と真蔵は起上がりながら
「然ども先ア関係わんが可い」

 

☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆ 。*・☆

 

—カメラワークがある作品です。

◆スズキ:お徳がワーッて喋った後、このお清「どうしたというのだろう」って、何に掛かってる言葉なのかな?
◆Caori:普通に「なんでそういうことしたの?」っていうことじゃなくて?
◆のあ:「お徳がそんなことまでしたのにびっくりしたわぁ」っていうことなのか。「まぁ、その炭は何処へ行ったのでしょうか」ってことなのか。「お徳、何故そんなに騒いでるの?」ってことなのか。
◆Caori:今までは「お徳、やりすぎじゃない?」っていう意味だと思ってたけど。
◆吉田:お徳そのものっていうより、この状況に対してなんじゃないかな。お徳に対しては相槌として「あらぁ、困ったわね」みたいなことを答えてあげたいんだけど。なんか、他の人に対して、顔色とか伺いながら、様子見の発言なんじゃないかなぁ?
◆Caori:なるほど。
◆吉田:「あらぁ、なんか、お徳が騒ぎ出してますけど、こいつ、どうやって諫めます?」ってチラチラ見るような。
◆スズキ:何かしら、直接回答になるような発言はしてないもんね。
◆吉田:そう。多分こうやってお徳が色々大袈裟に騒ぐことって、今までも多々あったと思うのね。だから、他の人がどう反応するか……それこそ、カメラワークとかで言ったら、お徳が騒ぐ→お清が「どうしたことだろう」って困った顔して言う→他の細君・老母・真蔵がグルーっと映る。そのための繋ぎのセリフ。

 

—金田一少年の事件簿みたいな場面ですね。

◆のあ:なんか、サスペンスみたいだね。
◆中馬:金田一ですか。
◆Caori:解る。
◆のあ:実は、「名探偵コナン」は解るんだけど、「金田一少年の事件簿」って漫画もアニメも観たこと無いんだよね。
◆中馬:コナンより金田一の方が怖いんですよ。殺し方が。もう人体がバラバラになりますから。
◆スズキ:あぁ、バラバラにして人数を1人増やしたりするんだよね。
◆中馬:あ、パクリの話しでしょ。
◆皆:あぁ(頷)
◆中馬:謝辞が載ったやつでしょ。
◆皆:あぁ〜(頷)
◆のあ:ごめん、何の話!? みんな共有してるけど(笑)
◆栗田:あれは本家の金田一耕助がありますから。
◆中馬:スケキヨ……菊人形……!
◆吉田:孫のもそういうの多いよね。
◆栗田:孫ってあなた、あれを元にその路線でやってるからだよ!
◆吉田:アッハッハ。
◆のあ:あぁ〜どうしても金田一春彦先生の顔が出て来るんだけど。
◆スズキ:辞書のおじいちゃんね。

 

—現代には無い文章の書き方をしていますね。

◆吉田:お徳のセリフね、1文1文がちょっと長くて。切り方が難しい。「○○で〜、○○で〜、○○だから○○で〜」っていつまでも続くじゃん。
◆のあ:それ、とづ(戸塚)も言ってた、「どこで切れてるんだよこれ」って。
◆吉田:一応、今はね、取れる所では息吸うために間を取ってるつもりなんだけど。
◆Caori:これは好きに間を取っていいんじゃないかなぁ? 自分の思う通りにやって。
◆スズキ:これさぁ、もう句読点って「、」じゃなくて「。」打つべきなんじゃないかって思う所もあるじゃん。
◆吉田:そこでまだ文を繋げるのか! っていう。
◆スズキ:これ、現代で作文書いたら「独歩君、長い文章は2つか3つに分けてみようか」って先生に怒られるやつだね。
◆中馬:この、テキスト本文に入ってるスペースは、これ何なんですか。
◆のあ:これは、わざと読みやすい体裁に変えてあるの。
◆スズキ:分かち書きみたいな。
◆中馬:ワカチガキって何ですか。
◆スズキ:小学校低学年の教科書で、平仮名だらけになった時、読み辛いからちょっと間が空いてるじゃない? あれのこと。
◆皆:へぇ!

 

—お徳のテンションはどのぐらい高い?

◆スズキ:ねぇ、お徳って、もっとエキセントリックでいいんじゃない? もっと、1人だけ場を荒らすような。
◆のあ:え、もっと!? 今でも結構エキセントリックだけど。まさか、お徳まで叫ぶの?
◆スズキ:結構大人しい可愛い感じだったかな、と。
◆吉田:あのねぇ、実を言うと、こないだ、家に帰ってから、稽古内で試し録りした音声を聴いてみたんだけど。もう、聞いてて自分の声が嫌になっちゃって。そんで、聴くの辞めた。
◆Caori:え、そこまで!?
◆吉田:音質かな。「もうこれ以上、この声を聞いてたくないな」ってなった。女の人の声って、あまり高く出し過ぎると、ヒステリックになっちゃって、聞き苦しいのかな、って。
◆スズキ:聴いている人を嫌な気持にさせたら勝ちなんじゃないの?
◆のあ:お徳の勝ちに帰するのであった。
◆栗田:だから、そこは「朗読」っていうものに寄せた方がいいパートなんじゃない?
◆スズキ:うーんと、テンションの上がり方が、平成の女の人じゃなくて、昭和な感じなんじゃないかなぁ、って。
◆のあ:明治だけど。
◆スズキ:そうなんだけど、表現として(笑) ただ上がる感じじゃなくて。毒々しい感じ?
◆吉田:やってるやってる!! わたしは既に相当な毒をやってるよ!!
◆栗田:お徳の所だけ録音方法変えて、昔の日活映画みたいな音質にしたら?
◆皆:別録り(笑)
◆スズキ:おっきい声出したらすぐ割れるやつか。昭和。
◆のあ:原節子さんっぽい感じね。
◆Caori:それはそれで面白いけど。
◆のあ:新しい試みだな。
◆中馬:聴いてる人混乱するでしょうよ、「なんで、この人の声だけすぐ割れるんだろう?」って。