守りたいのは同じ故郷だった…… 神の手をもつ少女とパイロットの少年が、 時空を超えて今出会う…… かつて、若者らを片道の燃料しかない飛行機に乗せて送り出し、 爆撃により地獄絵図と化した日本。 ほどなくして、ジャズのリズムに乗り、 ジープの後を全速力で追い掛けた日本。 傷付けられたんじゃないのか、奪われたんじゃないのか、 あの命たちはどこへ何のために消えていったのか。 歴史の地層の中に幾重にものみこまれていった骸たちの声が、 怒りの炎となり遠い沖の波間に噴き出す、 それがオイル。 神の手をもつ少女とパイロットの少年、 戦争と平和、生と死、愛と憎しみ、神と人、 1945年8月と2001年9月、 黄金と自由の源、”オイル” を巡り、 今、すべてが、神の土地で出会う。