ーここを見てほしい!なんてところありますか?
僕が演じるヤマトと佐々木城光くんが演じるヤミイチとの友情関係です。年齢が少し離れていることもあり、最初は打ち解けられるか不安でしたが、どんどん仲良くなっています。本番の時にはその信頼関係を舞台上で出したいと思っています。
あとは富士役ののあのえるさんとは学生時代からの仲なので、その関係性と役の関係性とを上手く融合させてセリフ以上の雰囲気を伝えたいと思います。
ー「オイル」の見どころはどんなところ?
細かな言葉遊びやセリフ回しが面白いです。
また、重い題材を扱っているのですが、エンターテインメントとして完成されているところも好きです。比喩表現が多く含まれているので、二度目、三度目に観ても新鮮な驚きがあると思います。
ー演じる役はどんな役ですか?
戦争という時代を生きた一人の若者です。
特攻兵に選ばれますが、そこから逃げ出し、日本からも逃げてアメリカへと向かおうと考えたのですが、島根に不時着、そこで神の手を持つという巫女さんと現地の県民たちとの物語に巻き込まれていきます。
弱い面もあり、情けない男の子ですが、毎日を必死に生きています
ー特攻隊員を演じるにあたって、苦労したことなどがありましたらお聞かせください。
特攻隊員というよりは脱走兵という重みが自分の中で苦労しているところです。
特攻隊員であり、かつ脱走兵。戦時下の日本人でありながらアメリカかぶれ。そういった二律背反のような面を持った役どころなので、非常に難しいです。今、これを書いている時点でも毎日もがき、苦しんでいます。ただ、特攻隊員という役をイメージでとらえるのではなく、自分が特攻隊員に選ばれたらどうなるのか、といったことを考えながらやっています。ともすれば記号的な演技になってしまうので、そうならないよう、一つ一つのシーンを丁寧に演じていきたいと考えています。
ーあなたが今まで生きてきたうちで、一番大きな社会的な事件は何ですか?そのときいくつで、どんなことを感じましたか?
2001年のアメリカ/米国同時多発テロ事件(2001年9月11日)です。
当時、高校一年生でした。親に買ってもらったばかりの携帯電話で好きな子とメールをしていたのを覚えています。そして向こうから急に「何かペンタゴンが攻撃されてるんだけど」って来たので「何で観てる映画の話とかすんの?」と思って返信をせずに寝ました。
朝起きたら父親がテレビを観ていました。そこに映っていた映像にかなり驚いたことを覚えています。感じたことは特にありませんが、ただただ声が出なかったです。思考停止しました。でも、そのメールをくれた女の子に対しては「寝る前に『意味わかんねぇ』って思ってごめん」って思いました。
ー意気込みをどうぞ!
面白いです。
戦争など重い題材を扱っていますが、何か政治的なメッセージを押し付けたいわけではないです。ただ、物語を通じてすごいものを観た、という感動を味わってもらえるようがんばります。
僕がどう考えるかどうかは別として、観た人が色々なことを考えることの出来る奥行きのある作品ですし、全く考えたくないという人にとっても考えなくてすむくらい面白い作品です。
僕自身の話をすれば、当時の若者ってこんなだったのかな、とか、自分があの立場だったらそう考えるかな、と色々な見方をしてもらえるよう、しっかりと舞台上で生きたいと思っています。
みなさまの前に素晴しいものをお届けするために努力は惜しみませんので、ぜひ9月の20日~23日は明石スタジオまでお越し下さい。
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