ー今回苦労したことはなんですか?
今回は演劇は私にとって二回目の舞台出演、さらに台詞もたくさんある役は初めてなので、物語を形成する上で大きな責任を担っているという重圧を感じました。
しかし、自分のような初心者で若い役者にしか出せない魅力を出していくつもりです。
ー「オイル」の見どころはどんなところ?
「オイル」という作品は大変著名な野田秀樹という演出家さんが手掛けた作品です。
私自身彼の作品をそこまで見ているわけではないのですが、先輩の役者さん曰く、彼は言葉遊び、フラクタル構造を利用した物語をよく書くそうです。そして今回“劇団のの”が旗揚げ公演として行う「オイル」もその二つの要素が多く盛り込まれています。
少し例を挙げれば、イスラムとアメリカ。日本とアメリカ。出雲と邪馬台国。古事記の世界観や、戦後間もない日本の姿など、縦横の世界が交差する奇跡的な一点の場所に起きた物語とも言えるでしょう。この構図を理解した時、あなたは「オイル」の世界のとりこになっていることは間違いありません。
ー演じる役はどんな役ですか?
私が演じさせていただくのは、“ヤミイチ”という役です。
彼は、主役の一人で彼の友人である“ヤマト”と共に特攻隊に所属していたのですが、ヤマトが脱走するとのことで、共に脱走して島根に流れ着きます。
ヤミイチは日本軍から脱走した兵士な訳ですが、彼は決してアメリカが好きな訳ではありません。日本が嫌いな訳ではありません。彼はとても優しく、純粋で、少し抜けていて、感情表現がストレートです。行動が少し受け身なところもあります。
ー「特攻隊員を演じるにあたって、苦労したことなどがありましたらお聞かせください。
敬礼に苦労しました。
なんか普段から姿勢がおかしかったらしくて、最初やった時笑われたんですよ。どこがおかしいんですか、と聞いたら、姿勢を始め、キレとか手の位置とか色々矯正されました。
あとは同じ特攻兵である“ヤマト”との対比です。いくら友人で一緒に脱走する間柄だからといっても、彼とまったく同じ考え方なわけではありませんし、行動力なんかも違います。
ヤマトとヤミイチは近くて遠い思想なので物語の中でも、随所に小さな対比が入り込んでいますし、そこはヤマト役の井原さんとよく話し合った点でした。
ーあなたが今まで生きてきたうちで、一番大きな社会的な事件は何ですか?
そのときいくつで、どんなことを感じましたか?
3・11が起きた時、私は高校二年、17歳でした。
福島県の福島市に住んでいたので、地震はもちろん、放射能による被爆も経験しています。この経験を経て私はこの世界で情報を握っている人はごく一部で、それは一般人が理解するためには相応の学力、行動力が必要なのだなと真の意味で理解しました。それ以降の私の人生観を変えるターニングポイントです。
ー意気込みをどうぞ!
やりぬくぜよ!!
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