きつねのおはなし 土田耕平『狐の渡』テキスト 【作品紹介】川の向こう岸に渡りたくて困っていた旅人の元に、コン助と名乗る美しい子どもの船頭が乗った船が通り掛かりました。船を上手に操る子どもの尻の辺りから尻尾が生えているのを見た旅人は……!?江戸時代には、橋を架けられない幅の広い川に、交通手段として渡し船を利用しました。そんな渡し船と、渡った先の宿で起きた、ちょっと愉快な、狐と人間の化かし合いのお話です。 2020年12月12日 狐の渡
横光利一が愛した妻 横光利一『蛾はどこにでもいる』テキスト 【作品紹介】妻を看取り、喪失感に捕らわれ、傷心の主人公。妻の実家では居たたまれず、恩師の元で隠遁生活を送る。気晴らしに出掛けた先や、食事の最中、ふと何気なく気付くと、彼の周りにはいつも、一匹の白い蛾が飛んでいた。彼は次第に、蛾を死んだ妻だと思い、不思議な親しみを感じるようになる。そんなある日、彼の文学のファンだという女性が訪ねて来るのだが……。横光利一が闘病の末に妻を亡くした経験に着想を得た、自伝的小説です。 2020年11月21日 蛾はどこにでもいる
横光利一が愛した妻 横光利一『慄える薔薇』テキスト 【作品紹介】貧しいながらも、郊外の庭付きの家に引っ越した、若い画家の卵と、その新妻。夫は、妻に苦労を掛けていることを身にしみて知っており、後ろめたさを感じているが、甲斐甲斐しく家事をして支えてくれる様子に、かえって素直になることができず、軽口ばかり叩いていた。そんな中、彼の絵が展覧会で取り上げられ、絵を見た女性からファンレターが送られてくる。芸術とは何か、芸術で出世してゆくこととは何か……静かな風景と静かな言葉のやりとりの中に、熱く強い葛藤と愛情が紡がれる。 2020年10月31日 慄える薔薇
横光利一が愛した妻 横光利一『春は馬車に乗って』テキスト 【作品紹介】肺病による咳に苦しみ、床に伏せる妻と、そして自宅で仕事をしつつ甲斐甲斐しく看病する夫。闘病とは何か、死とは何か、夫婦の愛とは何か。やがて来る別れを前に、2人は時に責め合い、時に寄り添いながら、それぞれの真理を求め続ける。実際に若くして妻を亡くした横光利一の自伝的小説です。心をえぐるような鮮やかな言葉の押収は、時代を超えて色褪せることなく、現代人の我々に、死と向き合うヒントを与えてくれます。 2020年7月25日 春は馬車に乗って
横光利一が愛した妻 横光利一『妻』テキスト 【作品紹介】郊外の庭付きの家に住む、若夫婦。新婚の頃は夫にただ従順で心配ばかりしていた妻も、今では小気味良い皮肉を返すほどに余裕が生まれた。こうして夫婦のステージは少しずつ変化していく。庭でメスに食われるカマキリのオスを見つけ、そこに自らの最終段階を重ね、むしろ清々しくすらな感じる夫。庭仕事をする女中の老婆が良い味を出している。『春は馬車に乗って』をより楽しむための、ステップとなる小作品です。 2020年6月20日 妻
芥川龍之介作品集「秋」ほか 芥川龍之介『秋』テキスト 【作品紹介】時は浪漫溢れる大正時代。文学の才能があると評判の信子は、文壇を志す幼馴染の従兄=俊吉といい仲だと噂されていた。ところが信子は大学卒業後、突然サラリーマンの男と結婚し、東京の実家を離れ、大阪へ。兼ねてから俊吉に恋心を抱いていた信子の妹=照子は、姉に後ろめたさと感謝を感じつつも、晴れて俊吉と結ばれ、東京にて新婚生活を始める。妹からの強い信望を心の支えに、平凡な夫との結婚生活をやり過ごしていた信子だが、俊吉と文学への想いが再び燻り出し……4人の男女が紡ぐ、儚く、歯痒い心と言葉のやりとり。 2019年11月16日 秋
ちょっと不思議な童話集 宮沢賢治『注文の多い料理店』テキスト 【作品紹介】2人の紳士が、狩猟を楽しみに山を訪れた。彼らは東京からやってきており、恰幅が良く、身なりや装備も立派な様子だ。しかし、突如、連れて来た犬が死んでしまい、風も強くなってきたため、狩りを中断するはめに。がっかりした2人が見つけたのは、西洋料理店『山猫軒』。喜んで中に入ると、そこにはまたドアがあり、何やら注意書きが。文言に従って次々とドアを開けて奥へ進んでいく2人を、最後に待ち受けていたものとは…!?ミステリアスな童話を、ゲーム風のアレンジでお楽しみください。 2019年8月26日 注文の多い料理店
未分類 小泉八雲『雪女』テキスト 【作品紹介】ある冬の日、武蔵の国の木こり・茂作と巳乃吉は、猛吹雪に遭い、渡し守の小屋で夜を明かすことになる。しかし、突然現れた真っ白い女に息を吹きかけられ、茂作は命を落とすが、巳乃吉はなんとか見逃されて生き延びる。数年後のある日、巳乃吉は道行く美しい女と恋仲になり、結婚。妻、母、かわいい子どもたちに囲まれ、幸せに暮らしていたのだが……。明治期に日本を愛したラフカディオ・ハーンにより英語で書かれた怪談を、田部隆次の翻訳でお楽しみください。 2019年3月07日 雪女
未分類 芥川龍之介「鼻」テキスト 【作品紹介】時は鎌倉時代。京都の寺の僧、禅智内具。務めに励む彼を長年悩ませるのは、顎の下まである、長く大きな鼻だった。人に笑われる上に、食事など日常生活にも不便がある。ある日、医者から聞いた鼻を茹でて短くする方法を試し、無事に縮むのだが……。人間のコンプレックスと自尊心、他人の不幸を願うエゴなどを描き、夏目漱石に称賛された作品。 2018年11月30日 鼻
未分類 夏目漱石『夢十夜』より「第十夜」テキスト 【作品紹介】「こんな夢を見た」のフレーズで有名な、『夢十夜』から、不思議な「第十夜」をお届けします。暇人で女好きの正太郎は、果物屋の店先に座っては女を、女が通らない日は果物を眺めていました。そしてある日、果物屋に立ち寄った美しい女性にフラリとついていき、7日間も行方不明になってしまいます。ようやっと帰って来たと思ったら熱を出して寝込む正太郎が大草原で見た光景とは!? という、夢を見たお話です。 2018年10月21日 夢十夜「第十夜」