作品一覧

酒の随筆集

坂口安吾『わが工夫せるオジヤ』

「私は今から二ヶ月ほど前に胃から黒い血をはいた」と、初っ端から衝撃的なエピソードで始まる、坂口安吾の作品です。なんと、破天荒で酒豪の坂口は、ウイスキーの飲み過ぎで3回も血を吐いたため、お腹にやさしいおかゆを自分で作るのだと言います。(なぜかちょっと偉そうな口調で)おかゆの作り方が詳しく語られる異色のエッセイを、実際に同じレシピでおかゆを作った栗田ばねが、朗読します!
酒の随筆集

萩原朔太郎『酒に就いて』

お酒が大好きな萩原朔太郎が、作品名の通り “お酒について” 御託を並べている作品です。とはいえ、さすが文豪。やはり話がうまいので、あらゆる社会的・文化的な知識などを披露しつつ(なんとチャーリー・チャップリンまで登場!)、自身のおもしろエピソードも交えて、ひとつの作品にまで仕上げてしまうのです。でも、全体を通して、結局、御託を並べています。レトロでおしゃれな雰囲気の曲にのせてお届けます!
酒の随筆集

若山牧水『樹木とその葉』より「酒の讃と苦笑」

若山牧水が、お酒について「短歌をどんどん並べていくが、途中でちょっと普通に喋る」という、ちょっと変わった形式の作品です。初っ端から「それほどに うまきかとひとの問ひたらば 何と答へむ この酒の味」から始まり、お菓子や水とは違った味わいについて論じ始めます。お酒はどんな味の飲み物なのか、人間関係とお酒、洋酒と日本酒の比較、お酒は体に悪いのか......といったことを、全て短歌で表現していくのは、とても見事です!そして、例に漏れず牧水も、「結構お酒を飲んでいるんだね」ということがわかってまいります。
酒の随筆集

大町桂月『酒に死せる押川春浪』

日本SF界の先駆者、押川春浪。作者は、その友人である大町桂月。若くして亡くなった押川は、もしかして酒癖によって命を縮めた……!?友人だからこそ、いいところも悪いところも知っている。生前の思い出とともに、「嗚呼 押川春浪君は逝けり」「偉なるや春浪君、君の肉体は朽つることあるも、君の精神は死するものにあらず」と、美しく力強い文体で綴られた愛情と悲しみを、歌い上げるような朗読でお届けます。
酒の随筆集

宮本百合子『三鞭酒』

友人2人とホテルの食堂にでかけた「私」。ガラガラの店内に退屈を感じながら食事をしているところに、中年のアメリカ人と思われる男女が1組入ってくる。なんとなく気になって観察をしていると、男性がシャンパンを注文し…?不謹慎ながらも共感してしまう、戦前のとある日常。
酒の随筆集

太宰治『禁酒の心』

「私は禁酒をしようと思っている」から始まる、太宰治の禁酒?エッセイ。酒と人間の哀しい関係を、太宰独特のユーモアと自嘲を交え、時に滑稽に、時に鋭く描き出します。配給酒を巡る人々の哀しいまでの執着、酒場での醜い争い…。禁酒するといいながら、アンタ完全に酒飲んでるだろ!といいたくなるような、人間の弱さと欲望を炙り出す、太宰文学の魅力が詰まった一作です。
海野十三の○年後+小酒井不木

海野十三『千年後の世界』

1940年から1000年後に冷凍睡眠から目を覚ました科学者フルハタ。棺のなかでひとり目を覚ました彼の元にやってきたのは、全裸の女教授!?1000年後の世界で、フルハタは何を見るのか。今回は、ののラジオで初めて、回し読みの状態で作品をつくりました。次々変わる配役で、演者の個性をお楽しみください。
『高瀬舟』再訪

『高瀬舟』原典「流人の話」( 神沢杜口『翁草』巻百十七「雑話」より)

元・京都町奉行与力、神沢杜口(かんざわ とこう)さんの随筆『翁草』より、森鷗外が読み……2つのテーマを見出し……「高瀬舟」を書くこととなった一編をお届けします。高瀬舟と思ったよりも同じ、思ったよりも違う、原典の味。そしてぜひ、「翁草」⇒「高瀬舟縁起」⇒「高瀬舟」の順に読んでみてくださいませ……。
ののトーーーク

【トーク】あけましておめでとう&文学フリマ出店しました(2025年1月)

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。メインは2024年12月に開催された文学フリマ39の出店&エンジョイ報告です。主なトピック前編あけましておめでとうございます。文学フリマ39に出店しました。ご来場いただいた皆様…
海野十三の○年後+小酒井不木

海野十三『三十年後の東京』

時は昭和52年、東京。異常気象によって溶けだした万年雪より、謎の巨大鉄球が発見される! 観衆の見守るなか、中から出てきたのは、なんと・・・!日本SE界の元祖、海野十三が戦後の1947年に少年雑誌で発表した「30年後の東京」世界。未来と戦後と…
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