ア行の記事一覧

海野十三の○年後+小酒井不木

海野十三『十年後のラジオ界』

まるで現代のお笑い芸人が掛け合いをしているのかと錯覚してしまう、軽妙な、漫才のような会話。この作品の売り文句はなんと「科学コント」。 科学技術の進歩が目覚ましい当時、彼らは、「今後、ラジオがどうなっていくのか?」というテーマで語り合...
きつねのおはなし

小川未明『ものぐさなきつね』

夜空に輝く星にとって、元気にいっぱいに鳴くニワトリは、唯一の話し相手でした。地上で起きたことを賑やかに報告してくれていたニワトリは、冬になると小屋に入れられてしまい、星は、春が来るまでしばらく一人ぼっちになってしまいました。ある白銀の夜、...
劇団のの脚色&ダブルキャスト『指環』

江戸川乱歩『指環』

とある列車の中。1人の男Aが、もう1人のBに話しかける。以前も会ったことがあるというこの2人。前回はちょうど、車内で指環がすられる事件があり、Bが疑いを掛けられた時だった。その事件の裏側に隠された真実とトリック、そしてAとBの正体とは……...
芥川龍之介作品集「秋」ほか

芥川龍之介『鼻』

時は鎌倉時代。京都の寺の僧、禅智内具。務めに励む彼を長年悩ませるのは、顎の下まである、長く大きな鼻だった。人に笑われる上に、食事など日常生活にも不便がある。ある日、医者から聞いた鼻を茹でて短くする方法を試し、無事に縮むのだが……。 人間のコンプレックスと自尊心、他人の不幸を願うエゴなどを描き、夏目漱石に称賛された作品。
ちょっと不思議な童話集

小川未明『遠くで鳴る雷』

毎日、家の畑に出ては、育てているきゅうりの成長を楽しみに眺めていた少年、二郎。二郎に見守られて、きゅうりはツルを伸ばし、花を咲かせ、やがて立派な実になります。ある日、お母さんが、二郎にハサミを渡し、いよいよきゅうりを収穫することに。 川の...
芥川龍之介作品集「秋」ほか

芥川龍之介『秋』

時は浪漫溢れる大正時代。文学の才能があると評判の信子は、文壇を志す幼馴染の従兄=俊吉といい仲だと噂されていた。ところが信子は大学卒業後、突然サラリーマンの男と結婚し、東京の実家を離れ、大阪へ。兼ねてから俊吉に恋心を抱いていた信子の妹=照子は、姉に後ろめたさと感謝を感じつつも、晴れて俊吉と結ばれ、東京にて新婚生活を始める。妹からの強い信望を心の支えに、平凡な夫との結婚生活をやり過ごしていた信子だが、俊吉と文学への想いが再び燻り出し……4人の男女が紡ぐ、儚く、歯痒い心と言葉のやりとり。
芥川龍之介作品集「秋」ほか

芥川龍之介『蜜柑』

ある曇った夕暮れ、横須賀発の汽車の席に座り、発車を待っていた「私」。 彼は、つまらない毎日や、新聞を埋め尽くす平凡なニュースに疲れ切っていました。 そこへ突然、田舎者の少女が駆け込んで来て、乗り合わせます。 みすぼらしい服装と髪型、落ち着きの無い様子に、「私」のイライラは増すばかり。 汽車は、「私」と少女を乗せて走り出します。 一体、どうなってしまうのでしょうか?
芥川龍之介作品集「秋」ほか

芥川龍之介『蜘蛛の糸』

極楽にて、池の縁を散歩していたお釈迦様は、地獄の血の池にいるカンダタを見付けます。 カンダタは、極悪人だったため、死後、地獄に落とされたのです。 お釈迦様は、生前カンダタが小さなクモを踏まずに助けたことを思い出し、 クモの糸を地獄に向かって垂らします。 糸につかまって地獄を抜け出そうとするカンダタですが…… 1918年、芥川龍之介が初めて児童向けに発表した短編作品です。
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