『高瀬舟』再訪 『高瀬舟』原典「流人の話」( 神沢杜口『翁草』巻百十七「雑話」より) 元・京都町奉行与力、神沢杜口(かんざわ とこう)さんの随筆『翁草』より、森鷗外が読み……2つのテーマを見出し……「高瀬舟」を書くこととなった一編をお届けします。高瀬舟と思ったよりも同じ、思ったよりも違う、原典の味。そしてぜひ、「翁草」⇒「高瀬舟縁起」⇒「高瀬舟」の順に読んでみてくださいませ……。 2025年1月12日 流人の話
海野十三の○年後+小酒井不木 小酒井不木『恋愛曲線』 親友「A君」の結婚式に、お祝いのメッセージを送る「僕」。この手紙と一緒にとびきりの贈り物「恋愛曲線」を届けるといい、その説明をはじめますが……。僕とA君と「雪江さん」の三角関係で生まれる、ハート・ラブの極致「恋愛曲線」とは……!?医学者でも… 2024年8月03日 恋愛曲線
きつねのおはなし 蔵原伸二郎『狐』 どこか荒寥とした大きなスケールでありつつ繊細な風景描写。その広大な自然環境の中に溶け込むように存在する狐たちの姿。狐は、鶏を狩り、人間に狩られ、身ごもる野生の生き物でありながら、その枠を超えて光、影、石、風、宇宙になることもでき、人間の魂を… 2021年8月07日 狐
背筋がぞくっとする話 小泉八雲『雪女』 ある冬の日、武蔵の国の木こり・茂作と巳乃吉は、猛吹雪に遭い、渡し守の小屋で夜を明かすことになる。しかし、突然現れた真っ白い女に息を吹きかけられ、茂作は命を落とすが、巳乃吉はなんとか見逃されて生き延びる。数年後のある日、巳乃吉は道行く美しい女… 2019年3月07日 雪女
ののラジオ 国木田独歩『竹の木戸』 裕福な大庭家と、隣に引っ越して来た貧しい植木屋夫婦。井戸を共有するため両家の境の生け垣に竹の木戸が作られ、不思議な交流が始まった。秋冬の寒さが深まり炭の価格が高騰する中、大庭家の炭が盗まれる事件が起きる。静かに事を見守る大庭家の主人=真蔵、植木屋の妻を犯人だと疑う女中=お徳、涙ながら夫に貧乏生活のつらさを訴える植木屋の妻=お源、それでも変わらない植木屋=磯吉……生活必需品の炭を巡り、日常生活と人間関係が、少しずつその均衡を崩してゆく。 2018年1月11日 竹の木戸