芥川龍之介作品集「秋」ほか 芥川龍之介『蜘蛛の糸』 極楽にて、池の縁を散歩していたお釈迦様は、地獄の血の池にいるカンダタを見付けます。カンダタは、極悪人だったため、死後、地獄に落とされたのです。お釈迦様は、生前カンダタが小さなクモを踏まずに助けたことを思い出し、クモの糸を地獄に向かって垂らします。糸につかまって地獄を抜け出そうとするカンダタですが……1918年、芥川龍之介が初めて児童向けに発表した短編作品です。 2018年4月09日 蜘蛛の糸
ののラジオ 国木田独歩『竹の木戸』 裕福な大庭家と、隣に引っ越して来た貧しい植木屋夫婦。井戸を共有するため両家の境の生け垣に竹の木戸が作られ、不思議な交流が始まった。秋冬の寒さが深まり炭の価格が高騰する中、大庭家の炭が盗まれる事件が起きる。静かに事を見守る大庭家の主人=真蔵、植木屋の妻を犯人だと疑う女中=お徳、涙ながら夫に貧乏生活のつらさを訴える植木屋の妻=お源、それでも変わらない植木屋=磯吉……生活必需品の炭を巡り、日常生活と人間関係が、少しずつその均衡を崩してゆく。 2018年1月11日 竹の木戸