喧嘩?イチャイチャ?

本日のお菓子は、メンバーの独断と偏見により、治安の良いお菓子から、治安の悪いお菓子の順番に並んでおります。

ピザポテト → パイの実 → じゃがりこ → なんだか高級なチョコレートおかき

本日は、横光利一の『春は馬車に乗って』、夫の稽古をしました。

『慄へる薔薇』では、夫の役が1番難しいかもしれません。 このお話は、既に妻が病気になっているところから始まります。

“闘病もの”……と考えると、夫が献身的に妻のことを心配し、優しくし……と想像するのですが。この夫は違うのです。

妻の病状が悪くとも、結構ふざけた口調で話しかけたり、今風の言葉で言えば「煽り」とでも言うのでしょうか、神経を逆撫でするような、おちょくるようなことを言うからです。

現代で言うと、何でしょう? 「ツンデレ」というやつでしょうか。
素直になれない、わざと煽るようなことを言う、ヒロインが「もう、なによ〜」と言う、または、さらなる機転のきいた返しをする、みたいなやりとりになっています。
また、少なからず、こういうカップルのやりとりを「萌え」とするコンテンツも、ありますよね。っていう話をしました。あだち充漫画の主人公、『名探偵コナン』工藤新一、『花より男子』の道明寺司などは、典型的なパターンでしょうか。木村拓哉さんが演じるドラマの主人公も、そんなキャラクターが多いような気がします。

1つのコミュニケーションのジャンルとして、成立しているような感じです。

そういえば、芥川龍之介『秋』に登場する、芥川龍之介本人ぽい人物、俊吉と、ヒロイン信子、妻の照子のやりとりも、そんな感じでした。
この時代から、西洋風の皮肉を言い合うのが、何かスタンダードだったのでしょう。西洋の喜劇などの影響もあるのでしょうか?

一言で言えば、愛情表現が回りくどいのです!

しかし、『春は馬車に乗って』の中でそのペースをつかむのは、なかなか難しいのです。闘病中/看病中だと思うと、どうしても暗くなりがちなので、明るいセリフや煽るセリフが、しっくり来ないのです。

そこで、同じ横光利一の妻シリーズから、『慄へる薔薇』を読むことにしました。 『慄へる薔薇』では、まだ妻が病気になっていません。貧しい新婚生活を始めたばかりの利一と妻がモデルになったお話です。会話が中心となっています。

話しているうちに、相手の言葉尻を捉えてどんどん論点がずれて行ったり、察してほしいあまりに曖昧な表現を使ったり、期待通りの返事が返ってこずにやり合いを続けてしまったり。

夫役の梅田拓くんは「僕ねぇ、これ読んですごい解った気がする。すごい解った。こういう人たちね、いるよね」と、何度も深く頷いていました。

梅田くんが、ネット記事で読んだ、夫婦の話をしてくれました。キレやすい夫と、それを気にしていた妻が、そのことをきちんと指摘し、キレてしまった時に必ずそれについて理論的に深く話し合うようになったら、夫がキレなくなった、という話です。
「キレるような旦那さんだから、じゃあ離婚すれば? とかじゃなくて、他の部分ではちゃんと仲良くて、成立してる2人で。だから、この『慄へる薔薇』の会話も、文章だけで見ると、喧嘩してるのかな、って思ったりとか。なんでここでこんな嫌味を言うのかな、素直に言えばいいのに、なんて思ったりするんだけど。僕はどちらかというと、不満や不安とかは全部ちゃんと言葉にして徹底的に説明してほしい方だから。でも、この会話を、また違う人が聞くと、結局仲良しなんだろ、イチャイチャしてんじゃねぇよ、なんていう見方もあって。」

やはり、そういうものが1つ、“いじらしい” “キュンキュンする” 会話のスタイルとして確立してるんだな、と思いました。概ね、カップルの会話など、そんなものなのかもしれません。

2人の会話には、回りくどい愛情の美学が、凝縮されているようです。

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