横光利一「春は馬車に乗って」|身体の状態と心の状態はリンクしている

稽古場日誌
春は馬車に乗って 慄える薔薇
稽古場日誌

今日は、「春は馬車に乗って」をより深く理解するために、横光と妻の新婚時代を描いた他の短編作品「慄える薔薇」の稽古を、舞台演劇のように立ち稽古でやってみました。

楽しいお昼ごはん

本日のお昼ごはんは、モスバーガーでした。外で待つ2人。

梅田拓くんから、楽しそうな様子の写真が送られてきた! 

と思ったら、何ですか、これは。

タイトル「Google Earthに映り込んで、顔が歪んだ人」

咀嚼音の需要

本日のお菓子は、やめられない、止まらない、そう「かっぱえびせん」です。

本当に、やめられないし、止まらないですね。この系統のお菓子って。

さて、現在、新たなYouTubeチャンネル、「NonoTube」を企画し、準備中の我々。

先日「タモリ俱楽部」さんで、高性能マイクで咀嚼音を録音する回をやっていたそうです。YouTubeで咀嚼音を配信するチャンネルがなかなか人気なのだとか。

その影響を受け、かっぱえびせんをスマホに向かってボリボリ食べてみたんですが。なるほど、いい音しますね。

スマホですら、ボリボリ噛む音、呑み込む音、くちゃくちゃ音までしっかり入って来る。これは高性能のコンデンサーマイクなんかで録ったりなんかしたら、一体どうなっちゃうんだ!?

ちなみに、かっぱえびせんを、じゃがりこのCM風にボリボリボリボリ食べるという失礼な真似をしましたが、すごくじゃがりこの音に聞こえました。

キャストを入れ替えて稽古

午後は、横光利一作品の練習です。

まずは、横光利一とその妻の君子の新婚生活がモデルとなっている『慄える薔薇(ふるえるばら)』を練習してみました。

劇団のの稽古では、まずは役をやる本人ではなく、稽古場にいる色々なキャストで次々に組み合わせを換えたり、役を入れ替えたりしながら演じるという、変わった方法をとっています。

色んなキャストが思い思いに演じるのですが、その中に、演技のヒントやアイディアが転がっているからです。

いろんな組み合わせが生まれました

演じるキャストによって、役のイメージの掴み方が変わるため、本当に演じ方が変わります。

チャラめの夫・ヨシコ 心配性の妻・ゆうと

ヨシコの中では、夫は軽快で、軽口を叩く若々しい男性です。ゆうとが演じる妻は、用心深く神経質で、ちょっとご機嫌斜めの様子。

豪快な夫・もちこ チャーミングな妻・ばね

もちこさんが演じる夫は、テンションが高く強気。ヨシコさんの演じたチャラさに、さらにのびのびした感じが加わり、少し卑屈っぽい所が減りました。

ばねさんが演じる妻は、いそいそと動き周り、夫の世話を焼くチャーミングな女性。和装を意識した仕草、小股な歩き方がリアルでした。ゆうとが演じたところから心配性そうな感じが減り、もう少し余裕がある、母親っぽい感じが出ました。

チャラめの夫・ヨシコ おきゃんな妻・もちこ

ちょっとここらで、妻の役を女性にも演じてもらいました。ばねさんが演じた妻は成熟して落ち着いた女将さん風な感じでしたが、もちこさんがやると、少し少女らしさが出ました。実際、新婚時代の君子さんは20歳前後ですから、おきゃんでもおかしくはないでしょう。

夫・うめちゃん 妻・ゆうと

うめちゃんは『春は馬車に乗って』でも『慄へる薔薇』でも、本番の夫を演じる予定です。

みんなの演技を見て、今までの稽古よりも、少し軽快な演じ方を取り入れるようになりました。動きもよりアクティブに。すねた表情など、若々しくなりました。

ちなみに、栗田ばねさんがナレーションを務めてくれましたが、何故かアニメ『ちびまる子ちゃん』のキートン山田さん風に読んでくれました。「後半へ続く」って言いそうな勢いでした。

ちなみに本番は、妻=スズキヨシコ、夫=梅田拓、ナレーション=Noahでお送りいたします。

まずは形から入ってみる

ここで、演出は時間の都合で後ろ髪引かれながら稽古を抜けたのですが。電車に乗っていると、もちこさんから稽古のその後の様子の写真が……。

え!? 寝てる!?

え、どうしたどうした!? サボりか!? 反抗期か!?

劇団ののは、たった30分の不在中に宗教団体になったのか!? 大地の力を感じる、的な! いや、あるいはまた、ヨガ教室なのかもしれない! なんか……1人だけ立って、手、差し伸べてる、指導者っぽい人もいるし。

と思ったら、これには理由があるそうで!

『春は馬車に乗って』で病床に寝たきりの、妻の気持ちを、みんなで体験していたのだそうです。

これは、とても良い効果があったらしいですよ。

さっきまで『慄える薔薇』で元気に歩き回いていた、妻。『春は馬車に乗って』では、ほとんど横になった状態になります。

仰向けになっていると、天井しか見えず、大きな声も出しづらい。身体的な拘束は、精神的な拘束にも繋がります。

やっぱり、視界や動ける範囲が狭まると、自分の身の回りだけ、夫だけが社会になり、失うことに不安を覚えて執着したり、自由な夫に対して嫉妬したり、他に発散するものがなくて夫に八つ当たりしたりしてしまうのではないか……。

本当にそんな気分を体験できたようです。

朗読の練習ですが、やはり身体表現とも密接に関わっている。そんなことを実感した日でした!

参考リンク

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作品についての考察はこちら↓

作品本編はYouTubeでも配信中↓

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