林芙美子の短編『狐物語』に登場する、ちょっと難しい言葉の意味を調べてみました。
劇団ののは、言語学や歴史学のプロフェッショナルではありません。
様々な文献や辞書をあたったり、プロフェッショナルの方に手助けをいただいたりはしていますが、あくまでも自力で調べ物をした結果を掲載しています。誤った情報が含まれている場合がありますので、ご注意ください。
また、調べ物をした結果、真実が突き止められないこともあります。
ご了承ください。
ぼつぼつ歩く
「ぼちぼち」と同義と捉えてよさそうです。ゆっくりと動作を行ったり、物事がゆっくりと進行する様子です。
豆がはぜたような
「爆ぜる(はぜる)」とは、草木の実が熟しきって裂けること、何かが割れて飛び散ること、内部から膨張して裂けることなどをさしています。
ここでは、熟した豆のサヤがパチッと弾け飛ぶこと、炒っている豆がパチパチと跳ねる様子にたとえ、勢いよく弾けていることを表しています。
かん
鼻環、鼻輪とも言います。
牛をコントロールしやすくするためにつけるもので、鼻ピアスのように、牛の鼻に輪っかを通し、必要な時はヒモでつなぎます。
牛乳やチーズのパッケージに描かれているイラストの牛にも、よくついていますね。
村のとっつきの家
ここでは、「いくつかあるうちのいちばん手前」という意味で、村の入り口に1番近いところにある家のことをさしています。
祖谷【いや】
徳島の地名です。この物語は、冒頭で「四国のある山の中」と、舞台が示されていますね。
作者の林芙美子は、山口県に生まれ、広島、四国、鹿児島などの地にゆかりがあります。
山や、V字型の渓谷が連なる場所で、現在では観光名所となっています。
天空に浮かんでいるように見える村々、たくさんのかかしが置かれた「かかしの里」や、三大秘湯などが有名です。
おこわめし
もち米を蒸したもので、うるち米を炊いた白米に比べ、モチモチ食感と甘味があります。
赤飯などもこれに含まれ、現代では、銀杏、ひじき、豆、栗、魚などを混ぜ加えた、様々な種類のおこわが存在します。
古くは、米を蒸したものを「強飯(こわいい)」といい、十分な水で炊いたごはんを「弱飯(ひめ)」「姫飯(ひめいい)」「ごはん」「めし」と呼びました。
妙正寺【みょうしょうじ】
現在は、東京都の荻窪、石川県金沢市に、広島県に同名の寺があります。
同名の日蓮宗のお寺が四国にもあったのか、最も近い広島県のお寺を表しているのか、定かではありません。
作者の林芙美子は広島に住んでいた時期もありました。
番僧【ばんぞう】
僧の中でも、仏像を守る当番の僧のことをさしました。堂番とも言います。
土間【どま】
日本家屋において、床がなく土がむき出しになっている箇所のことです。台所や玄関などに土間がありました。
岩鼻【いわはな】
岩の端、突き出た岩の突端のことをさします。群馬県や長野県に「岩鼻」という地名もあります。
参考文献
参考リンク
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