次回企画:劇団ののと読む『竹の木戸』

ニュース
竹の木戸
ニュース コラム

 

6月に行った初の試み、朗読ワークショップから、半年経ちました。

ワークショップには、初めましての方々にも大勢ご参加いただき、
大変楽しいひとときとなりました。

作品について語り始めると、皆さん大変熱く……
ワークショップが終わりお茶の時間になっても、
そこここで、「本当はこうなんじゃない?」「きっとこれはこうよ」と、
お話しが続いていました。
普段、演劇人がほぼ思い付かないような斬新なアイディアがポンポンと飛び出し、
劇団ののとしては大収穫です!

文学作品って、朗読って、奥が深い……
まだまだ、色々試せることがあるのではないか……

 

そこで今回、“劇団ののと読む” シリーズを始めました。

初回は、ワークショップでも扱った国木田独歩「竹の木戸」です。

“劇団ののと読む” 企画では、
とある物語を、役者が声で演じ、
出来上がった音声データをWeb上で配信していく予定です。

 

演じ手は声優でもアナウンサーでもありませんので、
普段、読む訓練を積んでいる訳ではありません。
だいぶ表情や身体表現に頼って演技をしている者たちです。
録音、効果音探し、編集などにも苦労することでしょう。

もちろん、できるだけ良いものにする努力は続けていくつもりですが……
製作過程で「考えること」を主目的にしたいと考えています。

明治時代って……
どんな音がしていたんだろう?
どんな道具を使って暮らしていたんだろう?
身分が違うとどのぐらい暮らし向きが違ったんだろう?

この場面って……
どんな天気なんだろう?
2人はどのぐらい離れて会話してるんだろう?

この人って……
どういうつもりでこの嫌味を言っているんだろう?
誰に聞かせたくてこの独り言を言ったんだろう?
誰に嫉妬して、誰を尊敬して、誰を信頼してるんだろう?

調べ物をしたり、稽古場で仲間と議論したりして、読み解いていく……
その結果が、演技に反映されて行きます。
手作りで荒削りだけど、温かみのある血の通った作品にできたら、と願っています。

 

あれ?
普段の劇団ののと、作り方が変わらないような……?

基本は変わりませんが、何しろ、舞台ではありません。
舞台美術や衣装、役者の動きやルックスなど、視覚に頼ることができません。
演技は、声のみ。
制限のある中での挑戦となります。

当たり前ですが、元が戯曲ではないため、
声に出して読むために書かれたものではないというのも難点です。
ラジオドラマの脚本とも違います。
(ゆくゆくはそういったものを発表してみたいとも思っていますが)

だからこそ、考えることが多くて、面白い。

元々「竹の木戸」というのは、
様々な角度からの議論がなされ、多くの論文が発表されている、
「THE☆諸説あり」な作品なんです。
登場人物が置かれた立場、心の機微、発言の意図、などなど……
行間、読み放題です!
(まぁ、結局、実際に声を出して読むのは本文なんですけども)

そのわりに、時代背景、ロケーション、登場人物の年齢や身分、
場面ごとの時間帯、設定、情景描写などは、細かく書いてあります。
朝、何分ぐらい歩いて通勤するか、とかまで書いてあります。
ヒントはゴロゴロと転がっているんです。
ものすごくリアルに、作品の世界が迫って来るんです。
でも、解らない。
真相は、解らない。
真意が、解らない。
なんとも、むずがゆいですねぇ……!
そのむずがゆさが、平成に至っても(あ、もうすぐ終わりますね)、
文学研究者たち、レポートを書かなきゃいけない学生たち、
はたまたわたしたち演劇人たち?を夢中にさせるんですね、きっと。
まるで、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ(ラ・ジョコンダ)」のようだ!

そこに、若輩者たちが揃って向き合おうとしております。
わりと骨が折れます。

そういえば、何故「竹の木戸」を選んだのか、最大の理由がありまして。
それは、台詞が多いこと!
しかも、物凄く詳しく、台詞の読み方を指定して来るんです。
「セリフ」って呼んでいいのか解りませんが。
ちなみに、我々は、「」に入っていない地の文のことを、
勝手に「ト書き」とか呼んでいます。
独歩先生ごめんなさい。
話がそれたので戻しますが、このト書きには(もう、そう呼びます先生)、
「一段、声を低めて」「地声の高い調子で」
「ちょっと振り向いて」「溜息混じりに」
などなど、1つ1つの台詞に、とても細かい演出が付いているんです。
演劇の台本では、こんなに逐一指示が書いてあることは稀でしょう。
通常、演出や役者が自分たちで考えます。
なので、この指示を踏襲しつつ、
独歩が思い描いてたであろう生き生きした会話を再現できるのか!?
っていうのが、1番の醍醐味なんです。
これは、普段やっている舞台の演劇とは全然違うポイントです。
(普通の朗読劇やラジオドラマともなんか違う気はしますが……)

 

色々と考えたり試したりするに当たり、
ワークショップ参加者の皆さんが当日下さった、
意見、疑問、新たな説などが、大変支えになっています。
今回の役者さんたちの新たな発見が加わって、
一体どんな見解が生まれるのか、どんな作品になるのか。

どうぞ、お楽しみに!!!!!

と「!」を5個も付けて言うからには、早く完成させなければならないですね。
できれば1-2月ぐらいに、出来上がった物を発表したい所存です。
所存。

このブログでは、それまで、作品の説明や製作過程の様子をお届けします。
決して、「繋ぎ」ではありません。
決して。
「コンテンツ」です!
先程申し上げた、稽古場で「考える」その過程を、記事にしたいと思います。
制作さん、役者さんが、企画や作品に対する思いを綴ったコラムも、連載します。
なかなか読み応えあるもになっているので、御期待下さい。

 

タイトルとURLをコピーしました