横光利一の短編『慄える薔薇』に登場する、ちょっと難しい言葉の意味を調べてみました。
劇団ののは、言語学や歴史学のプロフェッショナルではありません。
様々な文献や辞書をあたったり、プロフェッショナルの方に手助けをいただいたりはしていますが、あくまでも自力で調べ物をした結果を掲載しています。誤った情報が含まれている場合がありますので、ご注意ください。
また、調べ物をした結果、真実が突き止められないこともあります。
ご了承ください。
立て籠(む)【たてこむ】
家の場合は「建て込む」とも書きます。
家などの建物が隙間なくぎっしりと建っていることです。
良人【おっと】
妻が夫を指していう漢語「良人」(りょうじん)(妻にとっての「良い人」であることから)に和語である「おっと」を読み方として当てた表現です。
卓子【たくし】
テーブル、机のことです。
御厄介にな(る)【ごやっかいになる】
面倒を見られること、誰かに助けてもらうことの丁寧な言い方です。
手のかかる人のことを「厄介者」と言ったりします。
何心なく【なにごころなく】
「なんとなく」という意味です。
緊(る)【しまる】
緊張することです。
打ち続(く)【うちつづく】
長く続くこと、ずっと続くことです。
首を擡げ(る)【くびをもたげる】
「もたげる」とは、起きること、持ち上げることです。
転じて、「(考えが)首を擡げる」で、隠れていたこと、押し殺していた思いや考えが、ふいに浮かんでくることを表します。
事ごとに【ことごとに】
何かが起きるたびごとに、毎回、いつも、という意味です。
お暇を頂(く)【おひまをいただく】
ここでの「暇」とは、仕事をクビにすること、やめさせること、実家に帰らせることです。
妻が「暇をいただく」場合には、離婚して実家に帰る、つまり「別れてください」ということです。
流しもと【ながしもと】
台所の流しがあるところです。
変わって来(る)【かわってくる】
この場合、引っ越しをしてくることです。
糸菊【いとぎく】
管物、管菊とも呼ばれます。花びらが糸のように細くたくさん出ている形の菊です。
秋に咲き、様々な太さ・長さのものがあります。
芒【すすき】
1〜2mほどの高さまで伸び、先端がほうきの先のような形になった植物です。
秋の七草の一種で、お月見のイラストや写真で一緒に描かれることが多いです。
かつては「茅」と呼ばれ、お家の屋根や牛や馬などの餌としてたくさん使われていました。
花言葉は、「活力」「心が通じる」。
井戸【いど】
水道が整備されるまでは、井戸から水をくみ上げていました。
水を家の中まで運ぶのは大変なので、井戸端で鍋を洗ったり衣服を洗濯したりしました。
何軒かで共用されることもありました。
朝な朝な【あさなあさな】
毎朝。朝になるたびに、という意味です。
感興【かんきょう】
見聞きしたことに対して興味がわいたり、わくわくしたりすることや、その興味のことです。
朽葉【くちば】
枯れ葉、落ち葉のことです。
山茶花【さざんか】
ツバキ科の植物で、秋の終わりから冬のはじめにかけての寒い時期に、白地に淡い桃色の花びら5枚でできた花を咲かせます。
栽培種では赤やピンクなどさまざまな色があります。
童謡『たき火』の2番の冒頭に登場します。
心眼【しんがん】
心の目で、目に見えない真実を見抜く力のことです。
茶の間【ちゃのま】
明治後期、家の中心部にある部屋が「お茶の間」として、家族が集まる生活の中心の部屋となりました。
霜枯れ(る)【しもがれる】
冬に、霜にあたって草花が枯れることです。
罌粟【けし】
芥子とも書き、ポピーと呼ばれることもあります。1〜2mほどの高さまで伸び、春に赤や白、紫の大きな花を咲かせます。
違法薬物であるアヘンの原材料となるため、現代では栽培が禁止されている品種もあります。
花言葉は、「眠り」「慰め」「恋の予感」など。
フリジヤ
フリージアとも書きます。50〜100cmほどの高さまで伸び、3月頃に白や黄色の花を咲かせます。
白いフリージアはキンモクセイのような甘い香りがします。
花言葉は、「あどけなさ」「純潔」「親愛の情」など。
イチジク
クワ科の果物です。
「無花果」と書くのは、花を咲かせずに実をつけるように見えるからです。
生で食す他、ドライフルーツとしてケーキなどに使用されます。
甘みに加え、独特のアクがあります。
スイートピー
マメ科の植物です。
イギリスにて園芸用に楽しまれるようになり、19世紀後半に交配などが進み、様々な色彩が誕生しました。
ひらひらとしたレースのような花びらが縦に並びます。
ピンク、黄色、紫色、白、オレンジ色などが多く流通しています。
横光利一の小説「春は馬車に乗って」ではラストシーンに春の象徴として登場します。
花言葉は「別離」「門出」「繊細」「ほのかな喜び」などです。
参考文献
参考リンク
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