『高瀬舟』再訪 森鴎外『高瀬舟』 時は寛政の頃、ところは京都。桜散る春の夕、島流しの刑になった罪人を運ぶ高瀬舟に一風変わった男が乗せられる。およそ罪人らしからぬ清々しい表情に穏やかな態度を不思議に思った護送役の庄兵衛は、思わず何を思っているのか尋ねると、罪人喜助は身の上に起きたことを語り始める。 安楽死や貧困問題など、未だに誰も答えを出せない問いを時代を超えて投げかけてくる森鴎外の作品。法学専攻の学生さんからのリクエストにお応えして読みました! 2023年3月03日
きつねのおはなし 新美南吉『ごんぎつね』2 山からふらりと村に来ては、人間にいたずらばかりしていた、きつねのごん。ある雨上がりの秋の日、村の若者、兵十が川でとったうなぎを盗んだごん。しかし後日、兵十のお母さんが亡くなったことを知ってから、ひとりぼっちの兵十に親近感を持ち、家の中にこっそりと、栗やきのこを届けるようになります。 小学校の教科書で何十年も愛読されてきたごんぎつね。劇団ののでは、今一度、ごんは人間とは生きる場所を異にし、大自然に生きる野生のきつねであることを実感しつつ、あえてのBGMなし、環境音のみで、ごんの視点から物語を追うことに挑戦しました。 2022年11月26日
きつねのおはなし 新美南吉『ごんぎつね』1 山からふらりと村に来ては、人間にいたずらばかりしていた、きつねのごん。ある雨上がりの秋の日、村の若者、兵十が川でとったうなぎを盗んだごん。しかし後日、兵十のお母さんが亡くなったことを知ってから、ひとりぼっちの兵十に親近感を持ち、家の中にこっそりと、栗やきのこを届けるようになります。 小学校の教科書で何十年も愛読されてきたごんぎつね。劇団ののでは、今一度、ごんは人間とは生きる場所を異にし、大自然に生きる野生のきつねであることを実感しつつ、あえてのBGMなし、環境音のみで、ごんの視点から物語を追うことに挑戦しました。 2022年10月15日
きつねのおはなし 新美南吉『ごんぎつね』 山からふらりと村に来ては、人間にいたずらばかりしていた、きつねのごん。ある雨上がりの秋の日、村の若者、兵十が川でとったうなぎを盗んだごん。しかし後日、兵十のお母さんが亡くなったことを知ってから、ひとりぼっちの兵十に親近感を持ち、家の中にこ... 2022年10月07日
きつねのおはなし 新美南吉『手袋を買いに』 森で暮らす、きつねの親子。雪が降り、ぼうやは外に出ておおはしゃぎですが、小さなこぎつねの手は、冷たくなってしもやけになりそう。 親子は手袋を買うために、人間の住む町まで歩き始めました。 人間はやさしい? それとも、おそろしい…? きつねのぼうやの、ドキドキするはじめてのおつかいの物語。小さなお子さんでも楽しめる童話です。 2021年7月31日
きつねのおはなし 新美南吉『手袋を買いに』 森で暮らす、きつねの親子。雪が降り、ぼうやは外に出ておおはしゃぎですが、小さなこぎつねの手は、冷たくなってしもやけになりそう。親子は手袋を買うために、人間の住む町まで歩き始めました。人間はやさしい? それとも、おそろしい…?きつねのぼうや... 2021年7月18日
きつねのおはなし 土田耕平『狐に化かされた話』 【作品紹介】ある月の夜、太郎は寝る前におばあさんに物語を聞かせてもらいました。それは、おばあさんが若い頃のこと。村の女たちは夕飯が終わると、連れ立って、田んぼから湧き出る温泉に出かけるのでした。ある同じような月の晩、いつものように湯に入った帰り道、急に大きな川が現れたり、雷雨が来たり、次々と不思議な現象が起きます。女たちを助けに現れたのは……!? 幻想的な風景と、ミステリアスな展開が印象的な、寝る前にぴったりのお話です。 2021年5月04日
きつねのおはなし 土田耕平『狐に化かされた話』 ある月の夜、太郎は寝る前におばあさんに物語を聞かせてもらいました。それは、おばあさんが若い頃のこと。村の女たちは夕飯が終わると、連れ立って、田んぼから湧き出る温泉に出かけるのでした。ある同じような月の晩、いつものように湯に入った帰り道、急... 2021年5月01日
横光利一が愛した妻 横光利一『慄える薔薇』 貧しいながらも、郊外の庭付きの家に引っ越した、若い画家の卵と、その新妻。 夫は、妻に苦労を掛けていることを身にしみて知っており、後ろめたさを感じているが、甲斐甲斐しく家事をして支えてくれる様子に、かえって素直になることができず、軽口ばかり叩いていた。 そんな中、彼の絵が展覧会で取り上げられ、絵を見た女性からファンレターが送られてくる。 芸術とは何か、芸術で出世してゆくこととは何か……静かな風景と静かな言葉のやりとりの中に、熱く強い葛藤と愛情が紡がれる。 2020年10月26日
横光利一が愛した妻 横光利一『春は馬車に乗って』3 【作品紹介】 肺病による咳に苦しみ、床に伏せる妻と、そして自宅で仕事をしつつ甲斐甲斐しく看病する夫。 闘病とは何か、死とは何か、夫婦の愛とは何か。 やがて来る別れを前に、2人は時に責め合い、時に寄り添いながら、それぞれの真理を求め続ける。 実際に若くして妻を亡くした横光利一の自伝的小説です。心をえぐるような鮮やかな言葉の押収は、時代を超えて色褪せることなく、現代人の我々に、死と向き合うヒントを与えてくれます。 2020年3月22日