国木田独歩「竹の木戸」|鼻濁音ってなぁに?

稽古場日誌
竹の木戸
稽古場日誌

読み合わせ

初日の稽古は、役を決めず、みんなでお話を掴みました。

場所はスズキヨシコさんのお家。

広いお庭に面した居間で、チーズケーキとお煎餅を食べながら。

テキストを、「はい」と言われたところまで順番に読みます。

最初に読むと、みんな、とてもゆっくり読むのが印象的です。

また、前の人の読み方が次の人に移るのも面白いですね。

この日、配役が決まりました。みんな遠慮がちで、特にやりたい役が無いので、梅田拓くんが、適当に見事な采配で決めました。

梅田くんは、主役の大庭真蔵(おおばしんぞう)役です。

その妹、お清は、スズキヨシコさん。

住み込みの女中、お徳を演じるのは、吉田素子さん。

お隣に住む植木屋の妻、お源さんは、Caoriさん。

そしてナレーターの戸塚くんです。

鼻濁音とは?

この日、話題に上がったのは、鼻濁音

鼻濁音は、アナウンスや歌などでよく使用されます。勿論、朗読でも。

スズキヨシコさんが調べたところ、この時代、どうやら、関東圏の人は自然に鼻濁音を使っていたとのこと。

え〜〜〜〜〜!?

時代の古い老母も、千葉県出身のお徳も含めて。つまり、この話の登場人物は全員鼻濁音になるようです。

発音のしかた

ガギグゲゴ ga gi gu ge go

を強く発音すると、とても濁って、角があるように感じます。

それを柔らかく、

「nga ngi ngu nge ngo」

と発音することで、威圧感を与えず美しく聞こえるのです。

イメージは、「香港 Hong-Kong」の最後の「ん」を言った後、そのまま「a i u e o」を付ける感じです。

「n」が強すぎると、ただの「ナニヌネノ na ni nu ne no」に聞こえるので注意です。

表記のしかた

書く時は、

「か゜き゜く゜け゜こ゜」「カ゜キ゜ク゜ケ゜コ゜」

と表記します。

鼻濁音にはルールがあります。

鼻濁音のルール

全部の「ガ行」を鼻濁音に替えれば良いわけではありません。

  • 「君が」「あなたが」の「が」
  • 「急げ」の「げ」
  • 「塞ぐ」の「ぐ」

これらは、鼻濁音になります。

  • 「演劇 えんげき」の「げ」、
  • 「シンガポール」の「ガ」

のように、単語の途中に出てくるものも、鼻濁音です。

  • 「劇作家」の「げ」
  • 「グループ」の「グ」

のような語頭は、濁音のままです。

ここで注意すべきは、濁音が2回出て来る場合です。

例えば、

  • 「銀河」は「ぎんか゜」
  • 「ゴング」は「ゴンク゜」

になります。

複合語の場合もまた変わって来ます。

  • 「音楽学校」は「おんか゜く + がっこう」
  • 「外国語概論」は「がいこくこ゜+ がいろん」

になります。

複雑ですが、ルールさえ覚えれば、簡単にできます。

最初のうちは「゜」を手書きで振った方が読みやすいですが、慣れて来ると、自分でコントロールして発音できるようになります。

是非やってみて下さいね!

参考リンク

作品の視聴、他の記事へのリンクはこちらから

竹の木戸の、分かりやすいあらすじはこちらから

作品に登場する古い言葉、難しい言葉の読み方や意味の解説はこちらから

作品本編はYouTubeでも配信中

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