解説:「竹の木戸」あらすじ -中2-

 

午後3時過ぎました。
大庭家の、お出掛けしていた女性陣が、ワイワイと家に帰って来ます。
みんなお茶の間に集まって、今日あったことを話します。

新橋のお店で、礼ちゃんが大きなお人形を欲しいとだだをこねたこと。
電車の中に酔っ払いがいて、迷惑だったこと。
真蔵が寒がりなので、輸入物の立派なシャツを買ったこと。
下町へ出ると、どうしても思ったより出費してしまうこと。

なんだか、今と変わらない感じがしませんか?
デパートでは子どもはおもちゃをねだって泣いているし、
電車に酔っ払いはいるし、
お出掛けすると、なんか財布の紐が緩んじゃう。

真蔵とお清は、うんうん、と聞かなければなりません。
聞いている方より、ああだったこうだったと喋っている本人たちの方が楽しそうです。

って、これも、今と変わらないんだな、って思いますね。
平和で仲良しの大庭家です。

 

ところで、がやがやと楽しい話が一段落すると、
急に、女中のお徳が台所の裏口から出て行きます。

そして、また戻って来て「まあ驚いた!」と小さい声で言います。
わざと真面目な顔で、目を丸くして、みんなを見回します。
なんだか、プチ演技していますね。
注目を引きたいのでしょう。

でも、みんなは何が起こったのか解らないので、ただお徳の顔を見ます。

お徳は、炭が減った! と大騒ぎします。

お徳は、最近、なんだか炭の無くなり方が早い、おかしい、と思っていました。
いくらなんでもそんなに使ってないはず……。

と、お徳はまず、お隣のお源さんを疑いました。
さては、お源さんが庭から盗んでるんじゃないか、と。

そこで、なんとお徳さん、お源さんの家の障子の破れ目から覗き見します。
凄いですね。
すると、貧しくて買えないはずの高級な炭が、火鉢に入っているのが見えました。
お徳さん、あなたも今の法律ならちょっとアウトです。

お徳は、このことをまず、老母に相談しようと思いました。

でも、とりあえず、自分で調べることにしました。
探偵お徳ですね。
やり方は、こうです。
今日、出掛ける前に炭俵の上の方の炭に、目印を付けておいたのです。
それが、今見たら、目印の付いているやつが無くなっていると言うのです。
お源は、目印が付いてるなんて知りませんから、上から持って行くでしょう。
「だから、盗んだのはお源です!」とお徳は言い張ります。

真蔵は、ぎくりとします。
まさに今日のお昼に疑わしい光景を目にしたところでしたから。
でも、一応、まだ状況が判らないので、黙っておきました。
やっぱり真蔵は慎重派ですね。

お徳は、「炭をあのまま外に置いておいたらもっと盗まれますよ!」とたたみかけます。
結局、炭はお徳の部屋に置くことになりました。

お徳は、「竹の木戸を作ったからこういうことになった」と文句を言います。
「泥棒が泥棒の入り口を自分でこしらえたんだ!」と。

しかし、老母とお清は、お徳に対し、
このことでわざわざお源さんに何か言わないように注意します。
夫の磯吉のことが怖いのです。
お源さんに喧嘩を売ったら、磯吉が逆ギレして何をしてくるか解らない、と。

真蔵は、「まぁ、磯吉だってただの男だよ」とフォローするのが精一杯。
ついに何も言えませんでした。

みんなも、あんまりこのことで大騒ぎはしたくないようで、
お徳が1人でわぁわぁ言って、みんなちょっと押され気味で終わりました。

 

家族会議が済むと、真蔵は自分の部屋に入ってしまいました。
お徳とお清は、夕飯の準備です。
いつも通りの夕方の風景が戻ったかのようですが……。

異変が。
お徳は、お源がどんな顔をして井戸に水を汲みに来るかな、と思っていましたが、
お源が、いつもの時間に現れませんでした。
夕飯の準備はどうしたのでしょう?
日が沈んで1時間してから、珍しく、磯吉が水を汲みに来ました。

 

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