国木田独歩「竹の木戸」|屋外と同じ寒さの中で収録しました

稽古場日誌
竹の木戸
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いよいよ、今日は、収録です! いつも稽古しているスズキ家にて。家主不在の中、収録スタートです。

普通の送風タイプのヒーターを付けると、「ブーン」という音がしてしまうので、消しました。そして、それだと寒すぎるので、アラジンストーブをつけました。

アラジンストーブ。

……。

つけ方が判りません。

ネットで調べて、つけました。

こすったら魔神が出て来て暖かくしてくれるわけではないっぽいです。普通に、地味に、いろいろひねって、マッチで火をつけます。

頑張れ、戸塚! 君のおかげで部屋が暖まるぞ!

さて、別に暖かくなりません。寒い中、ナレーションの収録を無事に終えました。

正直、外気と同じだった。

磯吉役の栗田ばねさん、お源役のCaoriちゃんも到着。みんなで楽しく収録です。

まずは、ナレーションとお源のシーン。お源さんは独白が多いですね。

Caoriちゃんと戸塚くんのところにあるマイクが、栗田くんの手元の機械につながっています。

マイクスタンド代わりになっているのは、かつて舞台美術で作った木箱。スズキヨシコさんがセッティングしておいてくれたようです。

木箱の蓋に、かろうじてマイクを挟んでテープで固定しているので、ちょっと揺らしたら取れそう。

そして、木箱は中が空洞なので、ちょっと触ったら音が響く。

手作り感溢れております。

テキストは、マイクに触れないように、マイクの向こうで手で掲げて読みます。実際、朗読大会などでも、このようにします。

栗田監督、「アクション!」と叫んでいます。

音をモニタリングしています。飛行機、救急車などが来たら、一度止めます。

なんという手間でしょう。これが費用ゼロ収録の限界だ!

「君ねぇ、ここはもう少しこうしたまえ。気持を考えていこう、気持の発露をね」的なことを、グダグダと指示しています。

おおよそ、2人の演技には関係ありません。というか、全く、関係ありません。

あ、だって、ほら、よく見たら、

監督ごっこに飽きちゃって、DJごっこ始まってるし。

さてさて、いよいよ磯吉の出番です。

磯吉とお源は、2人で1つのマイクを使ってやりました。2人で1つを使うと、距離感や角度が難しいですが、交互に使います。

栗田さんがずっとご機嫌で暴れ回っているので、Caoriさん、笑いをこらえながらの演技です。2人が共演しているシーン、ほぼ、笑いをこらえながらやっています。苦行です。そう思って聞くと、よりいっそう彼女の演技の巧さが解るのではないでしょうか。

ばねさんがこだわったのは「貧乏が好きな者はないよ」というセリフです。お源さんに貧しい生活を責められて、やっと発した言葉。イライラをおさえつつ、押し出すように、でも動揺せず。このさじ加減が難しいところ。

おぉぉぉ、アラジンストーブ。

……全然暖かくなりません。全員、屋外にいるのと同じ格好。

寒い中で演じたので、植木屋夫婦の家の寒さ、身に染みて演技できたかもしれません。

ところで、皆さん。明治時代の日常音風景には欠かせない、行商人。実は、全て栗田ばねさんの声です。

豆腐屋も、パン屋も、納豆屋も、全部、栗田ばね。

よく聞いてみると「あ〜参ったなぁ〜こりゃ」とか、台本にないことも言っています。

あと、磯吉と行商人が夢の共演を果たしてしまっている部分もあります。

お楽しみに〜♪

参考リンク

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