それいけ響け夫の声

 

引き続き、梅田節が炸裂しております。
後半は、まだ語られていなかった人物、信子の夫について!
梅田、出番です!

 

 

ー信子と夫は相性が悪い?

 

◆スズキ:信子がこんな浮ついた感じじゃ、夫も可哀想だね。
◆梅田:でもまぁ、夫さんはね、しょうがないのかな。この時代の男性だからさ。信子がちょっと不満に思うのも。
◆スズキ:まぁ浮気される典型パターンの夫だよね。
◆梅田:僕ならね、信子が本気で小説家になって物書きしようとしたらさ、「シャツぐらい自分でやるよ」ってなるよ。洗濯とかも自分でやるし勿論。
◆スズキ:えらーい!
◆梅田:いや当たり前だよ! でもそれは現代だからで。この時代は、男は男の仕事、女は女の仕事みたいなコモンセンス(常識)があるから、しょうがないのかな、って。
◆スズキ:考えてみるとさ、俊吉と照子のところには女中がいるでしょう? この夫も、女中を雇って、信子の仕事を応援するっていうやり方もあったはずだよね。
◆梅田:夫は常に「倹約したい」みたいなこと言ってたよね。
◆スズキ:そっか。こいつ倹約家だったんだ。ケチか。「ネクタイも、手作りより買った方が安いじゃん」的なこと言ってなかった?
◆梅田:ケチ、うーん……そうかもしれないけど。夫さんはねぇ、大阪行った時もさ、周りの人と比べて身綺麗な感じって書いてあったし。こだわりがあるんじゃないかな。ほら、この夫ってきっと、見た目がシュッと綺麗で、あの人みたいな……最近のイケメン俳優で、いない? ここの……顎にほくろがある人(竹内涼真)。
◆スズキ:あぁ! JRの青森のポスターの人(三浦春馬)?
◆梅田:ここにほくろがある人だよ(竹内涼真)。
◆スズキ:銀行だか郵便局だからのポスターの人(三浦春馬)?
◆梅田:あ、そうそう! シティーボーイ風だけど中身は古風な感じの人(竹内涼真)。
◆スズキ:あぁ、その人かぁ(三浦春馬)。
◆戸塚:今、検索したんですけど。「竹内涼真」ですよ。
◆梅田:それ!!(竹内涼真)
◆スズキ:それ!?(竹内涼真)
◆戸塚:違いました?
◆スズキ:そんなに若い人か(竹内涼真)。
◆戸塚:この人は仮面ライダーの人ですよ(竹内涼真)。
◆スズキ:そっちもほくろ付いてるんだよ(三浦春馬)。
◆梅田・戸塚:誰だ?
◆スズキ:そっかぁ、2種類以上いたのかぁ、くそぉ。
◆戸塚:2種類?
◆スズキ:この夫、現代だったら、ちょっと眉毛整えたりとか、うっすら化粧とかしてるんだろうね。お肌とか白くてね。
◆梅田:お風呂上がりにヘアバンド巻いちゃう、ネイルケアしちゃう、的な。
◆スズキ:お、でもヒゲ生やしてるんだよね。
◆梅田:そうね。
◆スズキ:さっきの俳優、ヒゲを生やしたらどうなるんだ?
◆梅田:やっぱり綾野剛?
◆スズキ:あ、確かに、あの人の顔の上、ヒゲ、時々いるね。清潔なヒゲなんでしょうね。無精髭じゃなくて。
◆梅田:そうそう、意図のあるヒゲだよ。意図のないヒゲとは全然違うよ。見たら判るもん。「あ、あのヒゲ、あえてのヒゲだな」「ただ生えてるだけのヒゲだな」って。トリミングってあるじゃん。
◆スズキ:いい人ではあるんだろうな。悪い人ではないと思う。
◆梅田:いい人なんだけど、あんまりよく見えてないんだろうね。

 

 

ー夫は一流大学のエリート

 

◆スズキ:夫は一橋大学だから、ちゃんとしてるのかな。一橋大学ってやっぱりそういう所なのかな。
◆梅田:お堅いんだろうね。早稲田とか慶応とはちょっと違って。
◆スズキ:俊吉って早稲田の文学部にいそうじゃない。
◆梅田:とりあえず、信子みたいな女性は、ICUにはいないね。
◆スズキ:そうね! 信子は、ICU生のように「今日は、楽だから。寮からジャージで学校来ちゃいました〜」みたいなこと、絶対しないね。基本ピンクとか白のコーディネートで、ちゃんとおしゃれに決めて来そうだね。
◆梅田:この中で唯一、ICUにいそうなのは俊吉かなぁ?
◆スズキ:意識高い系のICU生ね。
◆梅田:ICUにいるじゃない、たまに。俊吉みたいな罪深い人。モテモテの。
◆スズキ:いるね。
◆梅田:もう僕はね、両手を振って、大きな声で叫びたい。ほら! 周りをよく見て! みんなが不幸せになっていくよ! って。教えてあげたい。言ってあげたい。
◆スズキ:ほんと、なんなんだろうね、あの男はね。

 

ー夫のセリフを読んでみてどうですか?

 

◆スズキ:夫のセリフは前半のネチネチ感がいいですね。
◆梅田:僕さ、もうちょっとネチネチを強く出した方がいいのかな? って思ったんだけど、どう?
◆スズキ:確かにね、なんか、いい人が諭してあげてるみたいには聞こえがち。
◆梅田:もっとイヤな感じの方がいいかな?
◆スズキ:うーん、でもこれはまだ序盤だからさぁ、まだ少しはいい人感あってもいいのかなって思ったよ。
◆梅田:でも、なんか不満を漏らしてる感が足りないような感じ。ネチネチやると早くない?って感じ。ちょっと不満が出てきたぐらいはもうちょっとやった方がいいのかな、って。
◆スズキ:「いつになく」嫌味を言ったっていう書き方だからね。色の付け方って難しいよね。自分でやってる時と、録音したの聞いてみた結果も、聞いてみるとまた違ったり。

 

 

ー録音して気になった……こだまする! 僕の声!

 

◆梅田:僕の声ってさ……すっごい、こもっちゃうんだよね! 響くっていうの?
◆スズキ:あぁ〜。梅さんの声は、謎の反響みたいな感じあるよね。
◆梅田:戸塚くんの声って、遠くでもクリアに聞こえるの、音量が小さくなるだけで。
◆戸塚:そうなんですか? 考えたことないけど。
◆梅田:僕と戸塚君の声が同時に聞こえると、同じ部屋で録ったのに、マイクからの距離関係無く、2人は違う空間にいるんじゃないか、って思っちゃう。宇宙と工場とか。教室と洞窟とか。僕は1人でかまくらにでも頭突っ込んでるんじゃないかっていう。喋り方を変えればいいのかな?
◆スズキ:普段から響いてるから、声質の問題じゃない?
◆梅田:やっぱ!? 響いてる!? 何でだろうね!? 戸塚君の声は高かろうか低かろうが、遠かろうが近かろうが、クリアじゃない?
◆スズキ:「声を響かせるな」って、演技しててなかなか言われない指摘だよね(笑) 役者に要求することじゃないよ。本来、いいことなはずなんだけど(笑)
◆梅田:普通に喋ってるつもりなんだけどね、電車の中とかでも、一緒にいる人に「シーッ! 声大きいから!」って言われるんだ。すっげえ、聞こえてるみたい。周りの人にも。そんなに声出してるつもり無いのよ?
◆スズキ:やっぱ、入れ物の問題じゃない? 胴体とか、頭蓋骨とか。響くようにできてるんだよ、きっと。
◆梅田:え。空洞とかがあるのかな。
◆スズキ:体に空洞!?(笑) 他人より反響してるんじゃない?
◆梅田:自分でも、響いてるのが判るんだよね。アーアーアーーーー♪ これ裏声ね、アーーーーーッ!
◆スズキ:100%裏声だったら大丈夫かもしれないけど(笑)
◆梅田:地声は、鐘がゴーンってなってる感じよね。『竹の木戸』聞いててね、ほら、自分でイヤホン付けて聞いてるとね、気になったんだよ。他の皆さんとなんか違うんだよ、わたしだけ。
◆スズキ:『竹の木戸』の時は、録音した部屋が広かったから余計響いてたかも。天井とかに跳ね返って。でもね、いずれ聞く人が慣れるから。
◆梅田:聞く人って、この朗読シリーズを視聴する人?
◆スズキ:そうそう、「あ、この役、梅田さんだ。相変わらず響いてるなー」って(笑)
◆梅田:「梅田を覚えてください」って?(笑) 「1人だけ、いつもかまくらの中で喋ってる梅田さん」? 慣れてくれるかしら。あ、あと僕、「ラリルレロ」がダメなんだよね。あと、句読点の前が消えちゃうんだね。「ちゃんと言おう」って意識しないと。

 

ー夫は何歳なんだろう?

 

◆スズキ:例えば、この「襟飾りにしてもさ」の「さ」は、伸ばした方がネチネチ感が出るとか?
◆梅田:「その襟飾りにしてもさぁ〜」って感じ?
◆戸塚:なんか、語尾を伸ばしすぎると現代っぽいね。
◆梅田:そうだね。思ったより。
◆戸塚:若者っぽくなっちゃうかも。
◆梅田:あれ、待って。夫って何歳だったんだっけ? 信子よりは年上かな。
◆スズキ:夫は、高商を卒業したてなんでしょ?
◆戸塚:「出身」っていうだけで卒業したてかどうかは判らないですよ?
◆スズキ:学生時代に縁談が進んで、卒業と同時に結婚したんじゃないの? あ、違うか。信子が卒業する頃には、夫はもう働いていたのだとすると、23歳とか……? 信子とは、年齢近いのかな。
◆梅田:年齢差、どのぐらいなんだろうね。照ちゃんは、信子より4-5歳離れてるのかな。
◆スズキ:そんなに信子と年が離れてないわりには、夫の方が年上っぽいイメージあるんだよね。
◆梅田:信子を子ども扱いしてる感じがあるよね。当時の、「主人と奥さん」っていう立場もあるのかもしれない。

 

 

ーサラリーマンはつらいよ。

 

◆梅田:夫さんってさ、お酒はいつから飲んでたのかな。「初めて、お酒飲むなぁ、ドキドキ!」とか無さそうじゃん。俊吉は、「酒を飲むことが大人だ」「男のたしなみだ」みたいなので、かぶれてるっていうか。夫にとっては、そういう特別な物でもないし、日常の中に酒がありそうじゃん。僕が、夫のあんまり好きじゃない所はさ、酒臭いまま寝てさ、隣の信子が臭くて眠れなかったってさ、どうなの? って思う。
◆スズキ:梅さんはそういうことやらないのか。
◆梅田:いや、やる(笑) いや、昔だったらあるかもしれないけど! 今は、無い。正体不明になるまで飲んだりしないもの。
◆スズキ:夫さんは、仕事でイヤなことでもあったんじゃないの?
◆梅田:この人、多分、営業さんなんじゃない? 付き合いの接待とか。
◆スズキ:きっと体育会なんじゃない?
◆戸塚:この当時の会社員ってそういうのあるんですか?(笑)
◆スズキ:いっそうあるんだと思ってた。「俺の酒が飲めないのか」みたいなの。
◆梅田:そういうノリが伝統的なんだったら、大正時代にもルーツありそうだよね。日本が近代化してさ、明治時代でサラリーマンが出現してさ。サラリーマンたるもの何をするべきなのかが段々固まって来てさ。最終的に「接待」っていう所。
◆スズキ:こないだの『竹の木戸』で、主人公の真蔵がサラリーマンで、エリートだったから、この夫もエリートだよね、わりと。

 

ー夫は、何が楽しくて生きてるんだろうね……。

 

◆梅田:え。
◆スズキ:だって。
◆梅田:彼なりに何かあると信じたい!(笑)
◆スズキ:趣味って言えるもの、晩酌して経済新聞とか読んでるのしか出て来なくない?
◆梅田:彼なりの理想の生活が、まさにそれなんじゃないですか? でも、理想とは乖離してくるからイラッとくるわけで。
◆スズキ:「俺の理想の生活が、信子の小説ごときのために脅かされている」と。
◆梅田:そうそう、具体的な展望とかがあるわけじゃなくて、「慎ましやか」とまで言わなくても、彼なりの「テンプレートな結婚生活♪」っていうのがあって。経済の話題とか、食事したりお酒飲んだりしながら、そういう内容を喋り合ったりしてさ。
◆スズキ:へぇ……。

 

 

ーあんまり周りにいないタイプ?

 

◆梅田:あ、今思ったんだけど。あんまり、よっこ(スズキヨシコ)の周りに、こういう人いないんじゃないかな、って。環境的に。出会ったことがないのかもね、こういうタイプの人に。
◆スズキ:あぁ、そうね。多分、無い。言われてみれば。
◆梅田:俊吉タイプの方が、よっぽどいっぱいいるでしょ、周りに。
◆スズキ:いる! 俊吉は、いっぱい存在する。ちょっとずつ色んなタイプの俊吉がいる。意識して計算して俊吉な人、できてなくて天然で俊吉な人。基本、共通してチャラいんだけど。夫みたいな人が好きっていう人もいるだろうね、パートナーとして。
◆梅田:そうね。その後、どういう生活を一緒に送っていくのか、イメージしやすいんじゃない? そのうち夢のマイホーム買って、車買って、時々は旅行にも行って、定年になったら年金で楽しく暮らして、みたいな。もう、俊吉は、絶対にしないねそんなこと!
◆スズキ:あ、しないね。できないね。安定した人生とか。
◆梅田:年金というシステムそのものに、何かひとこと言っちゃいそうだよね。
◆スズキ:払うかどうかを検討しそうだね。

 

ジャパ〜ンなお話

 

さて、第2回稽古は、全体を通して、信子・照子・俊吉の3人の登場人物について、
キャスト同士で話し合いました。
必見! 梅田節が炸裂しております。

 

ー「秋」ってどんな色してる?

 

◆梅田:あのねぇ……重いの。なんだろう。ネズミ色じゃなくって、鈍色(にびいろ)? っていう色、なかった? 濃い灰色みたいな。鉛色? やっぱ鈍色だなぁ。(検索して)あ、ほら「秋の空は鈍色」らしいよ。
◆スズキ:なんとも言えない色だね。
◆梅田:低気圧来てる感じしない?
◆スズキ:雨が降り出しそうだね。
◆梅田:最後「秋」って言って終わるでしょ、この話。
◆スズキ:あれ、この最後のシーンの日の天気は?
◆梅田:「薄濁った空」って書いてあるね。ちょっとみんなハワイにでも行こうよ〜。
◆スズキ:テキストの表紙、灰色にすれば良かったね。
◆梅田:え、やだ〜。
◆スズキ:なんか、「秋」って聞いて、枯葉とか果物とか色とりどりの綺麗なもの思い浮かべて、素敵な色にしちゃった。
◆梅田:そうね。美しい秋のイメージじゃないね。寒々しいよね。
◆スズキ:木と言えばずっと真っ黒の松林しか出て来ないし。
◆梅田:この秋は、木枯らしとかだね。

 

 

ーいきなり照子の長い重たい手紙で始まる物語。

 

◆梅田:これさ、1人でずっと喋ってるの?
◆スズキ:そう。まぁまぁな分量あるよね(笑)
◆梅田:照子役としてはどう?
◆スズキ:ちょっと読むペースとか盛り上げどころを、結構考えないといけない。
◆梅田:配分を考えないとね。照子ってどんな人間なんだろう? どんな読み方するのかな。
◆スズキ:シーン3で出て来る時には、既に結婚してて、俊吉と毎日暮らして会話してるから、ちょっと成長してるんだよね。
◆梅田:じゃあ、シーン3との差を出すために、ここではまだ純粋な感じを出した方がいいのかな。これさ、手紙の内容は、100%本心なのかな。
◆スズキ:どうかなぁ……もしかしたら書くことで自分に言い聞かせてるのかもしれないね。
◆梅田:なんと!
◆スズキ:こういう手紙を書くのは、自分からすると「凄いなぁ」って思っちゃう。「お姉様、万歳!」っていう内容だけ書いてもよかったのに、「恨めしく思ったこともある」とか、さらけ出してるじゃない? 心の内を。でも、ちょっと押し付けがましさもあるような気がして。こんなに俊吉のこと書くか? っていう。
◆梅田:「死んででもお詫びしようと思った」ってあるからね。朗読する時の読み方にもよるんじゃない? 読み方を間違えると嫌味を言ってる感じになるかもね。
◆スズキ:この手紙を通して、信子に何を言いたかったっていうと、「淋しい」より「ごめんなさい」の方が強いのかなぁ。
◆梅田:「許してください。わたしのことを見捨てないでください。わたしはあなたの妹でありつづけたいのです」っていう?
◆スズキ:そうそう。
◆梅田:これねぇ、僕、凄い「ジャパ〜ン」を感じる……「ジャパ〜ン」を。
◆スズキ:「ジャパ〜ン」ですか(笑)
◆梅田:この手紙読んで、「で、何なの?」って思うじゃない? スパンッと「許して。ごめん」では済まないっていう。あと、こんだけの分量を書けるってことは、それだけお姉さんへの思いはあるってことだよね。

 

ーこんな手紙を書く照子ってどんな子?

 

◆梅田:姉の信子が内向的だとすると、妹の照子は外交的なのかな。深く考えたりとかしないのかな。
◆スズキ:自分に素直なのかなって思った。
◆梅田:ポジティブな感じはあるよね。あと、お姉ちゃんを立てるというか、お姉様の幸せが1番みたいな印象があるけど。照子は、お姉さんのことが、好きなのかどうかは判らないけど、照子の50-60%はお姉ちゃんによって形成されているのかもしれない。
◆スズキ:お。それは面白いね。ある意味、信子はこの手紙を読むことでそれを再確認できるのかもしれないね。
◆梅田:で、照子は、俊吉の顔を見ても、信子のことを思い出してるんだよ、絶対。
◆スズキ:信子! してやったりじゃないか!
◆梅田:ウザいよねぇ、信子。
◆スズキ:ひどい(笑) 信子が、結婚後の照子に久しぶりに会ったら、照子を構成する50%ぐらいが俊吉になってたんだろうね。
◆梅田:そう。だから、信子が「来る」となったら照子の信子ゲージが急に上がって……照子の俊吉ゲージを1枚ペリッとめくると、その下に信子ゲージがあるというか。

 

—俊吉は、相手が照子で良かったの?

◆梅田:あ。それ、どうなんだろうね。
◆スズキ:ねぇ、可愛ければ誰でも良かったの? 俊吉よ。
◆戸塚:えっ、俺かよ(笑) 「誰でもいい」っていう言い方はあれですけど。付き合っていくうちに「結婚してもいいかな」っていう風になるのかなぁ? 当時は、結婚してから仲良くなるっていうか。
◆スズキ:大正時代だからね。俊吉は、相手が照子で大丈夫だったのかな。こんなバカな子で良かったのかな。
◆戸塚:結局、なんだかんだで上手く行ったんじゃないですか、多分。そこに信子が訪ねて来ちゃったからこじれてるだけであって。
◆梅田:俊吉もまた悪い男だよなぁっ!(怒)
◆スズキ:許してあげて(笑)

 

 

ー意味深。2人きりで留守番する場面。

 

◆スズキ:さて。信子が、照子と俊吉の新婚家庭を訪れるシーン3ですが。信子が来たら、俊吉が1人で留守番してて、2人きりになる。
◆戸塚:俺は、そこに照子が帰って来て、その照子の様子を「女中がいなかったのが意外らしかった」って書いてるのは、何を意味してるのかな、って。
◆スズキ:やっぱ、女中無しで2人きりで留守してたことを心配してんじゃない?
◆梅田:「え、ひとりで信子と会ったの? 2人で留守番してたの?」みたいな。
◆スズキ:「用心が足りないんじゃない?」ってこと?
◆戸塚:うーん。深読みすると、照子は「俊吉がわざと女中を使いに出して2人きりになろうとしたんだな」って疑ってるんじゃ……って。やたらこの文章が目立ってる気がして。
◆スズキ:照子は俊吉の浮気を疑ってるってこと?
◆戸塚:まぁ、深読みすると、ですけどね。ハッキリ浮気を疑うところまで行かなかったとしても。
◆梅田:ちょっとイヤだな、と思うかもね。
◆戸塚:うん。
◆スズキ:照子、複雑な状況だよね。
◆梅田:従兄妹同士って言ってもさ、俊吉と信子が、完全に幼馴染とか、お兄ちゃんと妹みたいな関係で会ってたとしたら、別にいいじゃん。ただ単に「女中が出掛けてて、2人で話したり遊んだりしてたんでしょ」ってなるけど。そうじゃないから訊くんでしょ。「おいおいお〜い、何? え? 何やってんだよぉ〜」みたいな。
◆戸塚:柄悪いな(笑)
◆スズキ:俊吉に対する不信もあるのかもね。照子は、「信子の俊吉に対する思いを、俊吉は知っているはず」って照子は思ってるから。「その信子に対して、おまえは警戒しなかったのかよ」っていう。
◆梅田:でも、その後「2人だけで留守番してたの?」って質問を、信子に、するじゃん、照子は。普通、夫の俊吉に訊けばいいじゃん? だからこれは、信子に対して「あんたぁ、来てたのぉ?」っていう意味で質問したのかな、って。
◆スズキ:確かに。「女中はいなかったの? 2人きりだったの?」ってことを、わざわざ信子の方に問う意味とは……。
◆梅田:「まさか手出したんじゃないでしょうね」みたいな……まぁ、そこまであからさまではないと思うけどね。何が起きてたかを完全に想像するまでに至ってないんだけど、「なんか変な空気だな」って、ちょっと引っ掛かりとか違和感を覚えた、っていう感じなのかな。

 

ーでも、結局、俊吉の機転で最悪の事態を免れた!?

 

◆梅田:僕は俊吉のおかげだと思うよ。照子が「あ、そう。ふ〜ん、何も無かったのね〜」みたいな反応になるでしょ。その「ふ〜ん」ってなるかならないかの時に「旦那様に感謝しろ〜」って軽口叩くから軽い空気になるんでしょ。「別に、みんな、いつもの調子だよね〜」っていう感じで。このモヤモヤが終わりになる。照ちゃんは、「あ、そうよね、何にも無いわよね、大丈夫よね」っていう納得を、ここで、自分でしたのかもしれない。
◆スズキ:この俊吉のセリフから、俊吉の態度がいつも通りで、ぎくしゃくしてないから、「俊吉にとっては、特に何か変わったことは無かったんだな」っていうのを感じたんでしょうね。信子にはあるのかもしれないけどさ(笑)
◆梅田:そうそう。だから、その言葉に対して、笑顔を見せる余裕がある。でも、俊吉って、頭はいいんでしょうな。常に気の利いた冗談を言って、話の方向が「あれ?」って感じになったら、すぐに話題を転換できるんでしょ。それぐらいの言語能力があって、バランス感覚もあるんだろうね。「自分のことしか見えてない」みたいな人ではないだろうね。
◆スズキ:そこが、信子とはちょっと違う所だね。ここで俊吉が対応を誤ったら、照子が傷付いていたかもしれないね。なんか意味深な感じにしちゃってたら。
◆梅田:場合によっては、刺してたかもしれないな。照子が。
◆スズキ:ちょっとー! 違う話になっちゃうよ。
◆戸塚:展開が早いな(笑)
◆梅田:それか、自分を刺してたかもしれないな。
◆スズキ:照子! 自分を!?
◆梅田:「信子お姉様の大事な俊さんを、刺すことになる。かと言って、信子お姉様を刺すことも、わたしにはできない!」ブスッ!(斬)
◆戸塚:ジレンマ凄いな。
◆スズキ:照子、歪んでるなぁ。
◆梅田:「そんな苦しみを受けるなら、わたしが、わたしが、あぁぁぁ」
◆戸塚:重いなぁ、照子。
◆スズキ:じゃあ俊吉は結構、危ないとこだったね。

 

 

ー俊吉と照子は、どんな家で、どんな物を食べていたのかな?

 

◆梅田:これさ、夜長の電灯の下にあぐらをかいて、ってあるじゃない? 食後に、果物を食べた、更に後。夜長の電灯ってどういうこと? これって、家の中の電灯? こういうやつの中であぐらをかくっていうのは、どういう状態なんだろう。ごはんを食べる所と同じ場所?
◆スズキ:和室の、お茶の間みたいなイメージだった。電灯の光が落ちて来る畳の上。
◆梅田:そういう場所に、卵とかぶどう酒が出て来るのか? って思っちゃって。勝手に、最初、机と椅子を思い浮かべちゃったんだよね。
◆スズキ:なるほどね。どうなんだろう。新興住宅地だからさ。でも、ダイニングなんてあるかな?
◆梅田:無いかぁ。
◆スズキ:当時、ぶどう酒って……?
◆梅田:ぶどう酒って、当時は相当ハイカラな感じなの? どうなの?
◆スズキ:どういう絵面なんだろうね。洋室か、和室か。女中もいるし。両方があるのかなぁ? 和洋折衷で。
◆梅田:俊吉は、ぶどう酒を買いかねない人種だね。
◆スズキ:まさにぶどう酒を好んで買って飲んでそうな人物?
◆梅田:絶対そうじゃん。ぶどう酒を飲むことに関しても思いがあると思うよ。20分間ぐらい語れるほどの思いが。
◆スズキ:「このぶどう酒はそもそも……」云々、「人間にとってワインとは?」的な?
◆梅田:「君は、このぶどう酒について何を思う?」とかね。知らねぇよ、ワインだとしか思わねぇよ、っていう。

 

ー俊吉のお仕事は?

 

◆梅田:あれ? 俊吉ってお金持ちなのかな?
◆スズキ:小説しか書いてないのかな。
◆梅田:女中が持って来て渡したハガキって、仕事の関係の物なんじゃないのかな。出版社とのやりとりとか。
◆スズキ:女中さんから受け取ったそばからペンを動かす、ってことは、大事な仕事なのかな。お客さんも来てるっていうのに。
◆梅田:そうだね、きっとね。
◆スズキ:「ちょっとメール1本送るまで待ってて」みたいな。
◆梅田:わぁ〜、フリーランスっぽい〜。じゃあ、小説だけで食ってんのか。
◆スズキ:雑誌のコラムとか書いてる可能性もあるよね。西洋哲学的なやつとか、思想に関するウンチャラとか。

 

ー鶏にこだわる照子ちゃんですが。

 

◆梅田:この、俊吉と信子と話しながら、生き生きと血の色を頰に透かしてるっての、すごい照ちゃんっぽね。
◆スズキ:確かにね。
◆梅田:はい、ちょっと透かしてみて。
◆スズキ:え。
◆梅田:照子役でしょ。はい。
◆戸塚:演技で血流をコントロールするって凄いな。
◆スズキ:凄い演技力だよねぇ。
◆梅田:ここが照ちゃんのいい所だと思うんだよね。
◆スズキ:明るくてニコニコしてる所ね。
◆梅田:そうそう。鶏の話してはしゃいでてねぇ。鶏がよっぽど可愛いんだろうね。
◆スズキ:ねぇ、この鶏って本当に何なんだろうね? そんな毎回、話題にするほど重要なことなのかな。鶏って長生きするの? これはさぁ、同一の一羽の鶏なの? 小さい頃から。「今でも飼ってる鶏」っていうのは、今でも同一の鶏を飼ってるってことなのか、「今でも変わらず、鶏という鳥を飼っている」っていうことなのか。
◆梅田:いや、代替わりはしてるかもよ。あるじゃない? メダカとか。2代目ぐらいかもしれないね。

 

 

ー俊吉はイケメン? チャラい?

 

◆スズキ:これさぁ……。鶏を照子が大事にしてるわけじゃない? その鶏小屋に信子を誘うんだよな、俊吉は。そういう意味では無神経だよね、俊吉は。
◆梅田:多分、心の底から、ただの思い付きなんじゃないかな。「あ、鶏見よう、そうしよう、それがいい」みたいな。「照子が大事にしてる鶏=照子の象徴を信子と2人きり、夜の庭で見る」っていうのは、俊吉は意図してないと思うんだよね。
◆スズキ:俊吉はね! でも芥川はしてるじゃん。無防備な照子を尻目にさ。
◆梅田:そうだね。「寝ている」っていうのは照子のこと、ってこと?
◆スズキ:嫌な奴だな! 芥川さん! ほんとに嫌な奴だなっ!
◆戸塚:芥川さんをディスる会みたいになってるな。
◆梅田:いやいや、その嫌な感じがちゃんと物語として成立するのが、やっぱり天才だとは思うんだけどね。アーティストだからだと思うなぁ。
◆スズキ:巧いからね。俊吉も、芥川もね。
◆梅田:そもそもさ、「ちょいと出てごらん、よい月だから」って言えちゃう所が凄いよね、俊吉は。
◆スズキ:そうそうそう! それもさ、しかもさ、こっちに向かって言ってる訳じゃないからね。誰にって訳でもなく言ってて。これ、もし、誰も出て来なかったら淋しいじゃん?
◆梅田:この時、照子は何処にいるの? 誰を呼ぶともなく……え、誰を呼ぶともなく!?
◆スズキ:(笑) だからさっきから言ってるじゃん! こっち見てないんだよ、俊吉。
◆梅田:これ、照子と信子が両方、後ろにいたらどうするの?
◆スズキ:そう。こういうノールックパスは危ないと思うよ。この時は、照子は台所とかで何かしてるか、もう布団に入ってるか……きっと大丈夫だろうという判断なんじゃない?
◆梅田:凄いなぁ。俊吉の中で1番難しいのは、この「寝ている」っていう響きだと思うよ。
◆スズキ:(笑)
◆戸塚:(笑)
◆梅田:ちょっとっ!! 今なんでみんな笑ったの!?
◆戸塚:いや、囁き方が面白かったから(笑)
◆梅田:あらそう?
◆スズキ:これは、でも、1番グッと来る台詞だよね。これってイケメンな演出だよね? やっぱり。
◆梅田:だよね。
◆戸塚:あぁ〜これイケメンに言えないといけないんですよね〜。
◆スズキ:そうよ。キザだよね〜これね〜。
◆梅田:「暫くは沈黙が続いた後、俊吉は静かに目を返して、鶏小屋に行ってみようか、と言った。ひょえぇ! これはねぇ〜。
◆スズキ:誘い、ですよ。
◆梅田:これはイケメンでしょうね。こういうこと言って、絵になる人ってのは。(「竹の木戸」の)磯吉が言ってみ?
◆スズキ:それはやばいね。
◆梅田:みんな警戒するよ?
◆スズキ:まず行かないし。ていうか、鶏盗んで食べるんだろうね。完全に。
◆梅田:やるね、磯は絶対にやる。

 

 

ー照子にとってはダメージだけど、実際、これは浮気なの?

 

◆梅田:ねぇ……その頃、照子は……電灯の虫、見てるけど。大丈夫?
◆スズキ:これ、やばいな、照子。
◆梅田:「青い横這い(よこばい)」って、これ、虫?
◆スズキ:そうそう、「バナナ虫」って知ってる? あれの1種。ピョンってする虫。
◆梅田:だよね。それをじっと見てるんだよ。怖いな。照子は、「女中がいない間に、俊吉と信子には何かあったんじゃないの?」とか、反芻してるのかなぁ。
◆スズキ:もしかして照子、2人が、庭に行く様子を目撃してたんじゃない? 背後から。
◆梅田:ちょっとぉ、俊吉〜。TPOを弁えて〜。
◆スズキ:弁えてたらやっていい訳じゃないでしょ。
◆梅田:あ、そっか。
◆梅田:これ、演出の仕方によっては、この後、ホラー展開もできるよね。照子がボーッと電灯の虫を見てる、その見方がさぁ、「あぁ、次、刺すね、遂に事件が起きちゃうね」っていう表情。
◆スズキ:「次回、乞うご期待!」になっちゃうからね。
◆梅田:それか、(「竹の木戸」の)お源さんみたいに、照子が首を吊るか。
◆スズキ:ほんと良かったよ、照子が首吊らなくて。毎回必ず最終回に首を吊るシリーズみたいになっちゃうから。
◆梅田:そういう意味では、照子は、翌朝、何も無かったかのように振る舞ってるから、偉いよね。
◆スズキ:なんか、凄い “昼ドラ” だね。
◆梅田:ほんとにねぇ。色々、想像しちゃいますよね。
◆スズキ:こりゃもう、俊吉と信子もどこまで行ったんだか判らないよ? 書いてないだけで。
◆梅田:雰囲気があやしいよね。あ、「あやしい」っていうのはね、「妖怪」の方の「あやしい」ね。
◆戸塚:ん?
◆スズキ:ん?
◆梅田:え? んっ?
◆戸塚:あの……「妖怪」ってどっちの漢字も「あやしい」って読みますよ。
◆スズキ:だよねぇ……。
◆梅田:あ!!!!! ホントだ!!!!!!!!!
◆戸塚:今、ふと。
◆梅田:「妖怪」の「妖」ね。もう、両方とも妖しいよ、信子も俊吉も。おまえら脳みそどうなってんだよ!! っていう。これは決定的なんじゃない? 照ちゃんにとっては。
◆スズキ:浮気じゃないっすか。
◆梅田:え、これ、浮気!? これは浮気なの? 詳細に書いてないけど、これは僕、別に浮気じゃないんじゃない? って思うけど。
◆スズキ:あ、ホント。
◆梅田:かなりグレーかもしんないけど。浮気じゃないでしょ。照子にとっては浮気に見えるのかな。ちょっと2人で歩いてきたってだけでしょ。
◆スズキ:独占欲が強い性格だと、こういう空気を見せられただけで、ダメージを受けると思う。元々、お似合いだと言われてた2人な訳じゃない?
◆梅田:じゃあ、「卵を人に盗られた鶏」って……!?
◆スズキ:だから!! 略奪ってことですよ!!
◆梅田:えぐいわぁ。
◆スズキ:信子と照子にはその自覚があるでしょ。俊吉は判ってないよ、何も。
◆梅田:だいぶ、えぐいね。たったこれだけの描写なのに、そこまで掻き立たせるって凄いと思う、芥川。
◆スズキ:ね。居たたまれない気持になるよね。照子の思いを考えると。

 

ー照子の思いは想像できる。信子は確信犯?

 

◆梅田:信子も多分ねぇ、「よっしゃ浮気しちゃうぜ」っていうような人じゃないじゃん。やっぱ、照子に対して申し訳ないっていうか、引け目を感じる部分もあって。
◆スズキ:いやでも、「引け目を感じる、わ・た・し」みたいなのがあるじゃん。そういう人、いるじゃん。
◆梅田:まぁそういう可能性もあるよね。「ジャパ〜ン」だと思う。
◆スズキ:自己承認欲求の満たし方っていうのがね。
◆梅田:「嗚呼、もう今日はおいしい物食べた! 楽しかった! 寝よー!」じゃなくて、「今日は、あの人とあの人とあの人の中で、どういう風に振る舞えたかしら」っていうことを考えながら反省会して寝るような人でしょ。
◆スズキ:大変な人だねぇ。
◆梅田:それがこの三角関係だからさ。俊吉から、信子と照子に伸びてる矢印の太さは、よくわからんよ? だけど、照子と信子から俊吉に伸びてる矢印、まぁ太いでしょ。そんで、お互いの矢印もまぁまぁ太いでしょ。だからややこしい。でも、そこはほら「ジャパ〜ン」だから? お互い、「出てってよ」って言うとか、とか「刺すよ」とかは言わない。
◆戸塚:「刺すよ」って!
◆スズキ:やっぱ、淋しいな。照子の気持ちを思うと、淋しくなるなぁ。

 

 

容赦ない「ハイ!」

さて、午前中、芥川龍之介の短編作品の収録が済んだ後、
みんなでワイワイ、『秋』の稽古をしました。
国木田独歩『竹の木戸』に続く、ドラマ形式の作品です。
雪の中、集まってくれました。

 

いい季節ですね、暖かい日もあれば、寒い日もある。
椿の花が素敵です。
竹久夢二の絵のようですね。
大正ロマンの『秋』の作品にピッタリ。

 

そしてこちらも素敵。
おひなさまがまだ飾られていました。
立派な段のおひなさま。
これは、もはやアンティークの領域。

演出が、移動する度に、何度も供え物のお椀や菱餅をひっくり返すので、
何度も直すのが大変です。
直しているところの写真を撮っていたら、
吉田さんに「反省と学習をしろ」と怒られました。
しています。

 

テキストを、役ごとにではなく、
輪になって座って、時計回りに順番に読みました。

うめちゃん(梅田拓)が「ハイ!」と言ったところまで、読みます。
彼の裁量次第で、長く読まされたり、短く終わったりします。
「え、そこで?」と思うところで「ハイ!」と言われることもあります。
ボーッとしていて、「え、どこ?」と言っていると、「ハイ!」が飛んで来ます。
噛むと、もちろん、容赦なく「ハイ!」と締め切られます。
演出は、3文字ぐらい読んで噛んだので、次に回されました。

 

持参のICレコーダーで自分の声を録音する戸塚くん。
復習するためだそうです。
真面目です。

 

Caoriさん、『竹の木戸』で明治時代の女性、お源を演じ、
今回は大正時代の女性、信子を演じます。
貧しい生活をし、育ちがそれほど良くなく、言葉使いも悪いお源に比べ、
同じ東京で暮らしていても、女学校に通い、良い生活をする信子。

でも、Caoriさんが演じると、何故か共通点が見えて来ます。
漂う色気や儚さなど。
って言いながら、お菓子食べてる写真ですみません。
大正ロマンなCaoriさんをお楽しみに。

 

と言いながら、今回、キャストさんに送ったメールで、
完全にキャストを逆にお知らせしていたため、
稽古場で混乱が起きました。

夫役: ○梅田拓 ×戸塚駿介
俊吉役: ○戸塚駿介 ×梅田拓
信子役: ○Caori ×スズキヨシコ
照子役: ○スズキヨシコ ×Caori

みんな、台本への書き込みを直していました。
凄いですね、人間って、こうも間違えるもんなんですね。
最低な演出ですね。

 

今回はナレーターで長い文章を読む、吉田さん。
初日から、嫌がっています。

残念ながら、ナレーターは間違えではなかったです。
ナレーターはナレーターです。

 

前回ナレーターだった戸塚くんは、今回キャストです。
女性2人に取り合われる、魅惑の男の役です。
イケメンボイスをお楽しみに!

 

今回、長い長いセリフがあり、緊張気味のよっこ(スズキヨシコ)です。

信子の妹、照子の役です。

 

みんなで、作品や、わからない単語について話しました。
Caoriさんが疑問を持ったのは、
「キリスト教の匂いのする女子大学趣味の人生観」という言葉。
特に、大正時代には、学生や作家を初めとし、色々な思想が流行りましたから、
トルストイズム、社会主義、キリスト教などの考え方が出て来ます。
作品に登場する人物は、文学を学んだり仕事にしたりしているので、
活発に思想を議論し合っています。
それを理解するのが、ちょっと大変です。
これもやがてブログや解説で説明していこうと思います!

 

梅ちゃんが気になったのは、
信子がぼんやり考えごとをしている時、
昼に食べた魚の生臭さが口から消えない、という表現です。

「僕わかる、これ。
 こういうことあるもの。
 ここの一部分、好きだなぁ」
と、お気に入りの様子。

 

今後、4人の登場人物の人間関係を、どう読んでいくのか、
とても楽しみです。
あ、ナレーターの活躍も楽しみですね。